【糞避けミニゲームもあるよ!】犬はなぜ北を向いてウンチするのか? 足元の“落とし物”に隠された壮大な世界史

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犬の💩避けミニゲーム

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道端の犬のフン。思わず顔をしかめてしまう厄介者ですが、その正体をたどっていくと、世界史から最新科学まで、驚くほど壮大な物語が見えてきます。今日はちょっと笑える、でも誰かに話したくなる「うんちの話」におつきあいください。

かつて、うんちは「お宝」だった


信じられないかもしれませんが、昔の犬のフンは立派な商品でした。19世紀のロンドンには「ピュア・ファインダー」と呼ばれる、路上のフンを拾い集める職業が実在したのです。集めたフンは皮革職人に売られ、硬い革をやわらかくなめす工程で使われました。フンに含まれる酵素が革をしなやかにする、いわば天然の柔軟剤。腕のいい拾い手は週に10〜15シリングと、当時としてはなかなかの高収入を得ていたといいます。

同じころ、日本の江戸でも犬のフンが町を騒がせていました。五代将軍の徳川綱吉が出した「生類憐みの令」で犬が手厚く守られた結果、野犬が爆発的に増えてしまったのです。中野に作られた巨大な犬の収容所には、なんと10万頭以上が暮らしていたとか。その餌代は町民の税金でまかなわれ、今のお金にすると年間100億円規模にもふくらんだそうです。「お伊勢、稲荷に犬の糞」と川柳に詠まれるほど、フンは江戸の見慣れた風景でした。それでいて農村では貴重な肥料として大切に使われてもいたのですから、面白いものです。

犬は「北」を向いて用を足す


ここで一番の驚きネタを。犬がフンをする前に、くるくる回って場所を探すしぐさ、見たことはありませんか。あれ、どうやら地球の磁場を感じ取っているらしいのです。チェコとドイツの研究チームが70頭の犬の約2000回分の排便を調べたところ、磁場が穏やかな日には、犬は体を南北の軸に合わせて用を足す傾向があるとわかりました。2014年のイグ・ノーベル賞に輝いた、れっきとした研究です。祖先のオオカミから受け継いだ体内コンパスの名残ではないか、と考えられています。次に愛犬がくるくる回り始めたら、そっと方角を確かめてみると面白いかもしれません。

ちなみに、昭和ごろによく見かけた白いカチカチのフンを最近見ないのも、ドッグフードの進化のおかげです。昔は骨を砕いた粉で余ったカルシウムが白く固まっていましたが、栄養バランスの整った今のフードでは、健康な犬の白いフンはほとんど見かけなくなりました。

うんちを巡る、世界の攻防戦

現代では、フンの放置は立派なマナー違反。世界の街は、あの手この手で対策に挑んでいます。京都発祥の「イエローチョーク作戦」は、放置されたフンを黄色いチョークで囲み、発見した日時を書き込むだけ。「誰かに見られている」という心理をうまく突いたこの方法は、コストがほぼゼロなのに効果は絶大です。

アメリカではもっと科学的です。集合住宅で飼い犬全頭のDNAを登録しておき、放置されたフンから飼い主を特定する「PooPrints」が広がっています。導入した地域では、放置が最大で100パーセント減ったというから驚きです。スペインのある町に至っては、放置した人をこっそり突き止め、フンを箱に詰めて「落とし物です」と自宅まで届けるという強烈な作戦を実行しました。羞恥心が効いたのか、街のフン害は70パーセントも減ったそうです。

そして、うんちは“電気”になる


最後は少し未来の話を。イギリスのある技術者は、犬のフンでガス街灯をともす仕組みを作り上げました。散歩中の人が紙袋に入れたフンを街灯の下の投入口に入れ、ハンドルを5回まわすだけ。すると微生物がフンを分解してメタンガスを生み出し、夕暮れにぽっと灯りをともします。紙袋10個でおよそ2時間の点灯。カナダやアメリカでも、フンを発電や肥料へ生まれ変わらせる試みが広がっています。

厄介者だったフンが、再びエネルギーへ。歴史はぐるりと一周したようです。私たちが思わず避けて通る足元の小さな落とし物は、世界史も、科学も、未来までも映し出している。そう考えると、明日の散歩がちょっとだけ楽しくなりそうです。

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