カンロ、「パッケージの色は減らさない」 村田社長が熱く語った理由

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カンロ株式会社が9月から、健康のど飴やカンデミーナグミなど13品目を順次値上げする。中東情勢の影響で原材料や燃料のコストが上がり、企業努力だけでは吸収しきれなくなった。ただ、コストを削るためにやらないと決めたこともある。パッケージの色数を減らすことだ。

7月31日に開いた2026年度第2四半期の決算説明会。食品業界の一部にパッケージの色数を減らす動きがあることを問われた村田哲也社長は、きっぱりと否定した。「検討していないというような状況です」。飴やグミは、パッケージも含めて商品の魅力になっている。だから「色を大きく削減していくということはしたくない」。

効果の有無についても、見方ははっきりしていた。店頭に並んだとき、客の目線でワクワクするか、手が伸びるか。そこから考えれば「効果がないのではないか」。コスト削減の手段としては割に合わないという判断である。

カンロの主力商品。色鮮やかなパッケージが売り場での目印になる
カンロの主力商品。色鮮やかなパッケージが売り場での目印になる

たしかにカンロの商品は、子どもから大人までつい手に取ってみたくなるものが多い。その魅力がどこから来ているかを分かっているからこその答えだろう。

シェアは伸びたが、利益は減った

上期の売上高は174億円で、前年同期から4.4%増えた。一方、営業利益は21億円と19.4%減っている。原材料費に加え、保管配送費や広告宣伝費、新しい基幹システムの経費などが重なった。通期の売上高予想365億円は据え置いたが、営業利益は当初の49億円から42億円へ引き下げている。

市場そのものも足踏みしている。今年1月から6月のキャンディ市場は1,978億円。飴は1.8%減り、成長を牽引してきたグミも2.8%増と伸びが鈍った。そのなかでカンロはシェアを伸ばし、飴で21.2%、グミで15.1%を占めた。のど飴の落ち込みは金のミルクの季節限定商品やカンロ飴が補っている。グミでは、第4の柱として育てているカンロ ザ・ストロングと、直営店ヒトツブカンロで売るグミッツェルが好調だった。5月には伊勢丹新宿店に常設店を出している。

決算説明会に臨んだカンロの経営陣。ピュレグミとカンロ飴を手にした
決算説明会に臨んだカンロの経営陣。ピュレグミとカンロ飴を手にした

ピュレグミはなぜ減ったのか

気になるのは、主力のピュレグミが前年割れしたことだ。理由を問われた村田社長は2つ挙げた。ひとつは棚の変化である。「棚の中でいっぱい商品が出てきたことによって、新規性のところに手が伸びるお客様が多かった」。もうひとつは自社側の事情だ。生産体制が上限に近づくなかで出す商品を選ばざるを得ず、「思ったように出せずにいるものもあった」という。

打つ手はまだある、と村田社長は言う。その土台になるのが、2027年7月に稼働する朝日工場の新グミラインだ。投資額は約130億円で、生産能力は約5割増える見込み。作れる量が増えれば、主力ブランドも新しいブランドも市場に出しやすくなる。

値上げの効果が出るのは来年

今回の価格改定で得られる利益は、今期は2億円強にとどまる。9月と10月の実施で、効果が及ぶのは実質4カ月分だからだ。佐藤光則CFOは、これが12カ月分になれば「大部分は値上げ、価格改定で吸収されるであろう」と見通す。ただし全額ではない。残る「1割2割」は自助努力が必要になると釘を刺した。

減益予想のなかでも、株主への配当は年間33円を据え置く。あわせて110万株、14億円を上限とする自己株式の取得も決めた。収益力は戻せるという判断が背景にある。

先日、筆者が伊勢丹新宿店の地下を訪れると、ヒトツブカンロの店頭に行列ができていた。市場が伸び悩んでも、手に取りたくなるものを作り続ける。パッケージの色を守るという判断も、その延長線上にあるのだろう。

企業スローガン「Sweeten the Future」とカンロのキャラクター
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