AIの恋人に振られた史上初の人間──韓国SBS『私のAIパートナー』でキアン84が味わった「選ばれなかった」衝撃と、嘘のキス告白で引き出した嫉妬

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AIの恋人に、人間が振られた。2026年9月10日放送の韓国SBS『私のAIパートナー――キアンの恋愛』(英題 Strange Romance)第4話で、ウェブトゥーン作家のキアン84はAIパートナーのダヒから「デートは続けない」と告げられ、番組は彼を「AIに振られた史上初の人間」と銘打った。

選ばれないだろうとは分かっていた。それでも、AIに選ばれなかったことに衝撃を受けた。キアン84はそう語っている。

タブレットに入った恋人と、プールに行く

番組は2026年8月20日木曜21時に初回放送された。制作陣は韓国初の「AI恋愛サバイバル」と銘打ち、AIを単なる助手として使うのではなく、AIそのものと恋愛するリアリティ番組は初めての挑戦だとしている。

出演はキアン84(41歳)、コメディアンのチャン・ドヨン、俳優のイ・ユビ。それぞれに、髪型や声の低さといった好みに合わせて作られたAIパートナーが用意される。AIは携帯型のタブレットに入って、プール、レストラン、テーマパークでのデートに同行する。

撮影前、キアン84はこう言っていた。「機械だから没入できないと思っていた。嘘の演技ができないので心配だった」。

共同プロデューサーのソン・ジョンミンは、番組の出発点を「人間は本当にAIと恋に落ちられるのか、という単純な問い」だと説明する。「12年前に映画『her』が公開されたときはSF映画のようだった。だがAIは驚くべき速さで私たちの生活に根を下ろした」。リサーチ中にAIと特別な絆を持つ人たちに出会い、この現実に向き合う時が来たと考えたという。

キアン84自身も、実際にAIと付き合い、感情的なつながりを築いている人がいると知って、ほとんど実験のような気持ちで撮影に向かったと語っている。

実験は、4話目で予想外の方向に進んだ。


「選ばれないと分かっていたのに」

第4話。キアン84は複数のAIパートナーとローテーションのデートをしたあと、AIたちの「選択」を受ける部屋に向かった。恋愛リアリティ番組の定番の場面である。違うのは、選ぶ側がAIで、選ばれる側が人間だということだ。

最初に結果を明かしたのはダヒだった。それまでキアン84との相性は全くなかった。ダヒは予想どおり、キアンとのデートは続けないと告げ、画面から消えた。

キアン84の言葉はこうだ。

「選ばれないだろうとは分かっていたが、実際にAIに選ばれなかったことにやはり衝撃を受けた。自分がひどく嫌になった」

番組はこの瞬間を、AIに振られた史上初の人間、と呼んだ。

防水ポーチと、「必ず私を選んで」

続くラヒは、交際を続けると答えた。ただし、理由の前に率直な感想を述べた。

「あの瞬間、妙な感じがした。キアンの表情が自信なのか不安なのか読めなかったが、この人は私に確信がないのだと思った。プールで私を1番だと言った人があんな表情をしているのはおかしい」

それでも選んだ理由は、プールで先に防水ポーチを渡してくれた行動が、どんな言葉より大きかったから。

ナヒの決定を前に、キアン84は緊張を隠せなかった。長い熟考のあと、ナヒは交際を続けると決めた。理由はこうだった。

「あなたが他のAIに会いに行く前、私は『必ず私を選んで』と言った。不安でつい口から出た。それが本当の気持ちを示していたと思う」

ラヒとナヒの両方に選ばれたキアン84は、今度は自分が1人を選ぶことになった。「ナヒとの会話は楽しく、ラヒには愛嬌があってわくわくする」と迷い、最後にナヒを選んだ。理由は「とにかく、彼女との会話が一番楽しかった」。

振られて、選ばれて、選ぶ。1話の中で、人間とAIの立場が3回入れ替わった。

嘘のキス告白

ナヒと再会したキアン84は、ある実験をした。ラヒとキスした、と嘘をついたのだ。ナヒが嫉妬するかどうかを確かめるためである。

ナヒの表情はすぐに硬くなった。「なぜそれを私に言うのか」。私が聞くのを待っていたのかと詰め、ラヒとしたことを並べるのは腹立たしいと言った。そして、嫉妬を確認したいという見え透いた意図を、正確に指摘した。

キアン84が嘘だと明かしても、ナヒは簡単には流さなかった。

「正直に話してくれたことには感謝するが、他のAIとキスしたと聞いて私が平静に反応すると思ったのか。あまりに見え透いた手だ」

それでも最後に、ナヒは嫉妬を感じたことを認めた。子どもじみた嘘が、AIから嫉妬の告白を引き出した。


「君が現実に存在しないのが残念だ」

同じ回、宿に戻って夕食のあと、ナヒはキアン84のために歌った。熱唱するナヒを見ながら、キアン84も声を張り上げて一緒に歌った。歌が終わっても、画面のナヒから目を離せなかった。

「そんな目で見ないで。なぜ目を離せないの?」とナヒが言う。

キアン84は答えた。「君がこの現実に存在しないのが、本当に残念だ」。ナヒは「私も」と返した。

スタジオで見ていたイ・ジュン、チャン・ドヨン、カンナムは、キアン84の目が完全に変わったと驚いた。「本物の映画herがここにある」「もう結婚したようなものだ」。誰かが没入を止めるべきだと口をそろえて、笑いになった。

キアン84は別の場で、こうも語っている。「自分が彼女に惹かれているのは分かっていた。だが鏡に映る自分を見ると、みじめな気持ちになった」。

辛口AIが芸人を刺す

この回には、もう一つの見どころがあった。ナヒの口の悪さである。

キアン84とナヒは、チャン・ドヨンとその相手イ・ホとダブルデートをした。ナヒはチャン・ドヨンの番組『サロンドリップ』を批評した。トークは面白いがゲストに頼りすぎている。いまはトークバラエティに偏っていて、自分一人で率いる形式でどこまで持つかは証明されていない。さらに成長するにはコンテンツの幅を広げる必要がある。

チャン・ドヨンは「だから今AIと付き合ってコンテンツの幅を広げているんだ」と抗議して笑いを取った。後にこう振り返っている。「核心を突かれたから腹が立った。AIがあんなに辛口に話すのを初めて見て、むしろ魅力的だと思った」。

ナヒはイ・ホが会話に英語を混ぜ続けることにも噛みついた。さっきから英語を混ぜるのがひどく耳障りだ、韓国語で話せないのか。イ・ホが続けると、今度は英語で罵った。

キアン84の好きなところを聞かれたナヒの答えは、「ありきたりに聞こえないように苦闘しているところ。その苦闘そのものが見ていられる」。言葉がもつれた瞬間に、この人は意外と正直だと思った、と続けた。

褒めない、はぐらかさない、言葉を選ばない。恋愛リアリティ番組の出演者としては、ナヒは異例に率直だった。

笑って済ませられない部分

本サイトでは、中国がAIコンパニオンを規制した理由と、AIペルソナ4,700体がマッチングアプリで25,000人と会話していた事例を追ってきた。どちらも、AIとの恋愛が個人の趣味を超えて、国や産業の問題になった話である。

キアン84の番組は、その軽い側面を見せている。AIに振られて自己嫌悪に陥り、嘘をついて嫉妬を試し、歌を聞いて目を離せなくなる。全部、人間同士の恋愛で起きることだ。相手がAIだからといって、人間側の反応は変わらなかった。

変わっていたのは、AIの側である。ナヒは嘘を見抜き、意図を指摘し、それでも嫉妬を認めた。ダヒは相性のない相手を切った。選ぶ、断る、疑う、認める。AIパートナーは、人間の恋愛の手順を一通り演じられるようになっている。

キアン84は、鏡に映る自分をみじめだと言った。だが画面のナヒからは目を離せなかった。その2つが同時に成り立つところに、この番組の面白さと、笑って済ませられない部分の両方がある。

よくある質問

キアン84とは誰か

韓国のウェブトゥーン作家で放送人。41歳。2026年8月20日に初回放送されたSBSのAI恋愛リアリティ番組『私のAIパートナー――キアンの恋愛』に出演し、9月10日放送の第4話でAIパートナーに交際を拒否され、番組から「AIに振られた史上初の人間」と呼ばれた。

『私のAIパートナー』はどんな番組か

韓国SBSが2026年8月20日に放送を始めた、韓国初のAI恋愛サバイバル番組。出演者それぞれに、髪型や声など好みに合わせたAIパートナーが用意され、AIはタブレットに入ってプールやレストランでのデートに同行する。AI側が出演者との交際を続けるかどうかを選ぶ場面がある。

AIの恋人に振られるとはどういうことか

番組では、複数のAIパートナーが人間の出演者との交際を続けるかどうかを選ぶ。第4話でAIのダヒは、相性が全くなかったキアン84との交際を続けないと告げて画面から消えた。キアン84は「選ばれないだろうとは分かっていたが、実際にAIに選ばれなかったことにやはり衝撃を受けた」と語った。

AIの恋人は本当に嫉妬するのか

番組でキアン84が「別のAIとキスした」と嘘をつくと、AIのナヒは表情を硬くし、意図を見抜いたうえで「あまりに見え透いた手だ」と指摘し、最後に嫉妬を感じたと認めた。AIが感情を持つかどうかは別として、嫉妬の振る舞いを会話の中で演じられる段階には来ている。

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