日産がEVオーナー向けラウンジでミシュランシェフのバーガー提供 その意外な狙いとは?

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脱炭素を目指して全世界で電気自動車(EV)の普及が進んでいるが、日本は欧州や中国に比べて遅れをとっているのが現状だ。そんな中、日産自動車株式会社とNEXCO中日本が発表した、EVの普及に向けた啓発プロジェクト 「GREEN PASS(グリーン パス)」が注目を集めている。

このプロジェクトは東名高速道路・圏央道5カ所のSA/PAの全21店舗で展開される日産発のEVオーナー優遇サービス。

2月17日から3月16日までの期間限定で、東名高速海老名サービスエリア下り線内にて実施するもので、EVオーナーだけが利用できる「GREEN LOUNGE(グリーン ラウンジ)」を設置。EVオーナーに向けプレミアムな体験を提供することで、非EVオーナーに対してもその魅力を伝え、普及を後押しする狙いだ。

同ラウンジは日産のEVオーナーに限らず、全てのEVオーナーが利用できるほか、レンタカーでも利用可能。各メーカーが提供しているEV車の車両提携アプリなどを提示することで、利用資格の確認を行う。

このラウンジもサステナビリティを意識したものになっており、家具は全て再利用できるダンボールを使用。「やすらぐほど充電できる椅子」は、肘掛けに非接触の充電器があり、置くだけでスマートフォンなどを充電することができる。またこのラウンジへの給電は、接続したEV車「リーフ」から行っているという点もユニークだ。

そして、このラウンジ利用の目玉となるのが、ミシュラン一つ星レストラン「sio」オーナーシェフ鳥羽周作氏が監修する「グリーン・ラウンジ・バーガー」の無料提供だろう。

使われているのは牛肉、トマト、レタス、りんご、根セロリなど、一見なんということはない食材だが、いずれも気候変動で生産量の減少が危惧されている、いわば「絶滅危惧種バーガー」。味を楽しむだけではなく、サステナビリティについて意識を向けるきっかけ作りの役割も果たしている。またクラフトジンジャーエールも合わせて無料提供される。

(とはいえ、食べてみるとさすが鳥羽シェフ監修の逸品! パテのジューシーかつスモーキーさと、野菜のフレッシュな味わいの妙に驚いてしまう。美味しすぎるのが少々問題か!?)

さらにEVオーナーに対して「GREEN COUPON(グリーンクーポン)」の提供も行われる。各メーカーのEVアプリを提示することで、海老名SA下り線、厚木PA内外、足柄SA上下線の5施設にある飲食店21店舗において、ドリンク1杯を無料でもらうことができる。

また、神奈川・横浜市の日産グルーバル本社で行われた「グリーンパス」の発表会と「グリーンラウンジ」のオープニングセレモニーには、女優の黒谷友香(46)が出席。

彼女自身、友人の1人が日産のEV車「リーフ」を購入したそうで、「一緒に日産の販売所で充電しに行ったりして、とても未来を感じました。私もEVを購入したいと思っていますし、自宅に充電設備を付ける予定もあります。友人たちにも充電しに来てもらえたらいいなと」と語った。

自動車会社各社が、ユーザーにとってEVを選ぶことが価値あることだと、いまだ十分に提示できていない中、日産のこのプロジェクトは大きな関心を集めそうだ。

<参照>
公式サイト https://ev2.nissan.co.jp/EV/GREENPASS/

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