人間の食物連鎖の位置「豚」レベルだった 176カ国食品の摂取量から判明

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※画像はstock.xchngより。

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自然の生態系における食物連鎖で、人間の占めるポジションは豚やアンチョビと変わらない、ーーそんな研究結果が公開された。

労務フランス海洋開発研究所のシルヴァン・クロス研究員は国連食糧農業機関(FAO)のデータから、世界176カ国の人々を対象に、1961〜2009年102種類の食材の摂取量の変化を分析、そこから「人間は豚レベル」だという研究結果を明らかにした。

食物連鎖における「栄養段階」では捕食される順番に、植物が1段階、ウサギ2段階、キツネ3段階、ホッキョクグマのような最上位の捕食者を5.5段階に区分する。肉食量が増えるほど、段階は上にあがっていく。今回の調査では人間の栄養段階は2.21。クロス研究員は「人間は雑食動物である豚やアンチョビのレベルで、ホッキョクグマよりも、ウサギに近い」と説明している。

世界をみわたすと、韓国や世界の平均より高い2.23、中国は経済成長とともに肉の摂取量が増えて同期間で2.05から2.20に0.15段階上昇。

同研究員によれば「穀物よりも肉を生産する際に、より多くのエネルギーと資源が必要。人間の栄養段階が高くなるのは、生態系や環境に悪影響を与える可能性がある」とし「すでに牧畜業から発生する温室効果ガスの排出量が輸送の排出量を越えた」と指摘。今回の研究結果は、米国科学アカデミー紀要(PNAS)の2日に発表するという。

文/原田大