どん兵衛が限定パッケージ
日清食品が、7月22日に東北地区限定で『日清のどん兵衛 芋煮うどん カレーペースト付』を数量限定発売すると発表した。
どん兵衛の”芋煮うどん”は、山形風芋煮をモチーフにした商品で、2005年から東北地区で限定販売されている。山形では、芋煮カレーうどんというご当地グルメがあり、今回の限定パッケージはこれをカップうどん化したもの。カレーペーストが別添されており、お好みでカレー味を楽しむことができる。昨年も同様の商品を販売したところ大好評だったため、今年も数量限定で販売することにしたのだという。
こだわりの料理ゆえに……
しかし、芋煮が話題にのぼると決まって巻き起こるのが、具や味付けに関する論争だ。他の地域の人にも分かるように説明すると、東北には、牛肉と醤油味が基本の山形風芋煮の他に、豚肉と味噌味が基本の宮城風芋煮の二つのメインストリームが存在し、事あるごとに両勢力による”正統争い”が勃発しているのだ。
この2つの味を軸に、さらに地方ごとに、シイタケは必須だとか、ナメコ以外のキノコは認めないだとか、里芋一択、ジャガイモ以外は芋煮にあらず、といった拘りがあるため、さらにローカルな小競り合いが勃発、論争はヒートアップしていく。
そして、今回もまたそうした”紛争”が勃発しつつあるようだ。街の声を聞いたので紹介しよう。
いつもと同じ展開に
「芋煮は基本、豚肉で味噌味だから(笑)、誤解されると嫌だから、ちゃんと商品名にも『山形風』ってつけてよね」(28歳男性・宮城派)
「豚肉と味噌って豚汁でしょ?(笑) 芋煮は牛肉、醤油で味付けするに決まってるじゃん」(26歳女性・山形派)
「豚汁との差別化を図るためにも、山形風を正統にしておいた方がいい。その方が宮城県民にとっても得策なんですよ」(51歳男性・山形派)
「福島では豚と味噌だから、山形VS宮城+福島。多数決でこっちが正しい芋煮でしょう。完璧な理論です」(33歳男性・福島(宮城)派)
そもそも論まで……
「だいたい、『芋煮カレーうどん』っていう山形のご当地グルメをカップにしたんだから、宮城や福島がイチャモンをつけるのは筋違い。まあ、俺山形だけど、芋煮カレーうどんとか知らないけどね」(41歳男性・山形派)
「そもそも、既に売られている芋煮うどんが山形風のみなのが許せない。あのパッケージをみかけるたびに、メディアを通じて誤った情報が伝わってしまう、と悔しい思いをしている。宮城風も商品化すべし」(23歳・宮城派)
他の地域の人間からすると、どちらも芋煮でいいのでは? と思ってしまうのだが……それだけ慣れ親しんできた味に対する誇りが強いということか。ともあれ、どちらも美味いのでケンカはほどほどに……。
文/編集部