
サリーがモテてチッチがやきもちを焼いたり、そんな乙女心が理解されずにチッチが泣いたり、そんな日常がつづく、ラブストーリーと言うにもあまりに淡い、永遠の青春譚だった。浮気もないし、大事件に巻き込まれることもない、それだけに、最新刊に綴られた「さよなら…サリー」の言葉は衝撃的。
だが、さしさわりの無い程度で書いておけば、たしかにそう「さよなら…サリー」なのだが、「小恋」(同書の略称)らしい別れとなっている。大した話じゃない、大仰なコマ使いがされるわけでもない、やっぱり淡い。
ただそれでも、っていうかファンじゃないし、今までほぼ読んだことがなくても、泣いてしまう。濃いラブストーリー漬けになっている我々なのに、こんな薄味でピュアな「恋のものがたり」は心をうつ。
また、みつはしちかこ先生(73歳)が病に倒れていたことが綴られており、自身が指摘しているとおり、“描けなくなってしまって”からのタッチの違いだったり、40年間同作品を担当した編集者氏の言葉だったり、なによりも先生の後記、とにかく泣きどころの多い一冊。原稿書きながら、グスッとなりました。
※追記記事「「小さな恋のものがたり」サリーのモデル亡くなっていた みつはしちかこ先生のエッセイに」
文/高野景子
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