食べ方というものを一つとっても、地域によってさまざまに違う。世界的にみれば音を出して食べるのをよしとする場合もあれば、音を出さないのがいい場合もあるように。また、中にはもはや秘技と言えるものもある。
それが佐賀県南西部につたわる技「餅すすり」だ。これはつきたてでまだ柔らかい餅にお湯にくぐらせて柔らかくし、両手で細い棒状にのばしながら、口で吸い込んでいくというものだ。奇習でもあり、妙技でもあり、この技ができる人にとっては「美味しい食べ方」なのだという。
餅はまわりに水っ気があるので喉にひっかからず、えんえんと喉越しの快感を与えてくれる、という。それが「餅すすり」のできる人から言わせれば魅力なのだ。「餅吸い」「すすり餅」とも言うようだ。だが、この「餅の最高の食べ方」とも言われるわけだが、昔は佐賀県のローカルニュースでよく餅すすりによる死亡事故が流れたという。そりゃそうだが…。
つい最近まで、佐賀県杵島郡白石町で行われる恒例の「ぺったんこ祭り」で「餅すすり」が行われている。この妙技を見てみたい方は、この祭りを要チェックだ。
文/編集部