「子ども3人で100ドル?この経済状況で?」 親たちは学校写真を買うのをやめ、ChatGPTに作らせ始めた

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米国の親が学校写真を買わず、自分で撮った写真をChatGPTで学校写真風に変えている。透かしを消す手口も出てきた。

1 #MomHack として広がった手口

TikTokの利用者カーリー・ボンドの投稿が拡散した。やったことは拍子抜けするほど簡単である。

学齢期の子ども3人を、無地の背景の前に立たせて自分で撮る。その画像をChatGPTに入れて、こう指示する。「この子たちはそのままに、学校写真っぽく見えるようにして」

ChatGPTは各画像に、あの見慣れたグラデーションの背景を足した。出来上がったものは、ライフタッチやケイディ・スタジオといった大手が撮る標準的な学校写真とほとんど見分けがつかない仕上がりだった。

投稿に添えられた一文が、この現象の全部を言い当てている。「学校写真を子ども3人分? この経済状況で?」

2 コメント欄に集まった本音

賛同のコメントが並んだ。なかでも刺さるのは次の一つだ。

「子ども3人で100ドル以上取られたうえに、カメラマンは髪を直してもくれないし、笑ってなくても気にしない」

ここには二つの不満が同居している。価格と、価格に見合わないサービスである。学校写真は多くの場合、学校を通じた実質的な独占販売になる。撮り直しは利かず、気に入らなくても他の業者を選べない。買うか買わないかの二択しかない市場では、不満は価格の話に集約されやすい。

生成AIは、その二択に三つ目の選択肢を持ち込んだ。


3 もう一つの手口は、明確に一線を越えている

報道はもう一つの流れも伝えている。子どもの写真は通常どおり業者に撮ってもらい、確認用として渡される透かし入りの画像から、AIで透かしだけを消す。そして商品は買わない。

これは節約ではなく、代金を払わずに納品物を手に入れる行為である。透かしは、対価と引き換えに外されることを前提に付けられている。そこを機械的に消せるようになったからといって、消してよいことにはならない。

生成する側と透かしを消す側は、同じ「AIで安く上げる」に見えて性質がまったく違う。前者は自分の撮った写真を自分で加工しているだけだが、後者は他人の制作物を無断で取っている。

4 日本の親にも同じ選択肢が来ている

日本でも構図は似ている。運動会も、遠足も、卒業アルバム用の撮影も、多くは指定業者が入り、専用サイトで1枚ずつ購入する形になっている。枚数がかさめば負担は小さくない。

ここに「自分で撮って、それらしく仕上げる」という選択肢が現実味を帯びてきた。

合法だが、考えておくべきことが二つある

自分の子を自分で撮り、自分で加工する。これ自体に法的な問題はない。ただし、二つ引っかかる点がある。

一つは、写真の役割の問題だ。学校写真は、単に見栄えのいい肖像ではなく、その年にその学校にいたという記録として残る。背景を合成した画像を卒業アルバムやクラス名簿に混ぜ込むと、記録としての性質が変わる。学校側が受け付けるかどうかも別問題になる。

もう一つは、子どもの顔をどこに渡すかである。生成AIのサービスに子の顔写真を入れるということは、学習や保存の扱いを利用規約に委ねることを意味する。設定次第で学習対象から外せるサービスもあるが、外したかどうかを親が確認しないまま使っているケースは多い。

費用を下げたいだけなら、もっと地味な手がある

購入枚数を最小限にする。学校の販売期間を待たず、休日に自分で撮っておく。きょうだいで同じ背景を使い回す。こうした方法はAIを使わずに同じ節約を実現できるし、記録としての写真は業者のものを1枚だけ買っておく、という折衷もできる。

AIを使うなら、便利さの裏で何を差し出しているのかを一度だけ考えておけばいい。

5 学校写真という商売は、これからどうなるか

コメント欄に「私たち母親が、学校写真の会社を廃業に追い込みそう」という書き込みがあった。半分は冗談だが、半分は当たっている。

独占的な販売で、価格の割にサービスが薄い。この組み合わせは、代替手段が現れた瞬間に一気に崩れる。業者側が生き残るとすれば、AIには作れないもの、つまり撮影の場そのものの質を上げるしかない。髪を直す、笑うまで待つ、撮り直しに応じる。コメント欄の不満は、そのまま改善リストになっている。

よくある質問

自分で撮った子どもの写真をAIで学校写真風に加工するのは問題ないのか?

自分で撮影した写真を自分で加工する行為自体に法的な問題はない。ただし、生成AIのサービスに子どもの顔写真を送ることになるため、その画像がどう保存され学習に使われるかは利用規約で確認しておく必要がある。また、卒業アルバムやクラス名簿など記録として使われる場面では、学校側の扱いも事前に確認したほうがよい。

透かしをAIで消して写真を使うのはなぜ駄目なのか?

透かしは、代金の支払いと引き換えに外されることを前提として付けられている。これをAIで除去して使うことは、対価を払わずに他人の制作物を取得する行為であり、著作権や販売契約の観点から問題になる。自分で撮った写真を加工することとは性質がまったく異なる。

実際にどんな指示でそれらしい写真になるのか?

話題になった事例では、無地の背景の前で撮った写真をChatGPTに入れ、「この子たちはそのままに、学校写真っぽく見えるようにして」という趣旨の指示を出している。AIは標準的なグラデーション背景を追加し、大手撮影会社の学校写真に近い仕上がりになったと報じられている。

日本でも同じことが起きるのか?

構図は共通している。日本でも学校行事の撮影は指定業者が担い、専用サイトで1枚ずつ購入する形式が一般的で、枚数が増えれば負担も大きい。代替手段が現れれば同じ流れになりやすいが、記録としての写真の扱いと、子どもの顔写真をAIサービスに渡すことの是非は、日本でも別途検討が必要になる。

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