オンラインイベント「HR INNOVATIONS 2022」は経営者必聴 企業がとるべきこれからのデジタル化、人権、働き方改革とは

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全国社会保険労務士会連合会が、オンラインイベント「HR INNOVATIONS 2022」を2022年2月2日、2月24日、3月4日の3日間にわたって開催し、盛況のうちに幕を閉じた。社会・経済環境がドラスティックに変化し、労働及び社会保険分野においても様々な変革が進んでいる現在。企業とその従業員など、多くの働く人々に対し、制度と実務の両面に精通した社会保険労務士ならではのイベント内容となっていた。

企業喫緊の3つの課題

このオンラインイベントは「人」を起点とする新しい経営の実現を目指すというコンセプトのもと、「デジタル化が生み出す人事労務戦略イノベーション」(2月2日)、「『ビジネスと人権』が企業に与えるインパクト」(2月24日)「働き方の革新を通じた「人を大切にする企業」づくり」(3月4日)という3つのテーマで開催。デジタル化、グローバル、働き方改革という、いずれも企業にとって喫緊の課題だ。

「デジタル化が生み出す人事労務戦略イノベーション」(2月2日開催)においては、企業がデジタル化という大きな流れの中で、持続的成長を続けるための手がかりについて公演とディスカッションが行われた。日本社会において労働力人口が減少する中で、コロナ禍によりテレワークが進んだものの、デジタル化は遅れているのが実情だ。同イベントの中では、そんな遅れの理由や、デジタル化が進む中での企業は従業員の心にどう寄り添うか、人事労務戦略をとるべきかといった、興味深い議論が行われた。

デジタル庁のデジタル大臣・牧島かれん氏も登壇。官民一体で日本社会のデジタル化を推進していく必要性について語っている。

「『ビジネスと人権』が企業に与えるインパクト ~グローバル社会において社労士と目指す企業づくり~」(2月24日開催)では、「ビジネスと人権」における国内外の情報を集めて提供するとともに、人事・労務の問題と向き合ってきた社労士として、グローバル社会における企業の在り方が提示された。

国連や主要7カ国(G7)を筆頭にした国際社会は、強制労働や人権侵害に抵触する企業は、サプライチェーンから排除していく方向にあり、そんな潮流に対して、日本企業がどう向き合うのかディスカッションがなされた。企業は社員の長時間労働、ハラスメント、ジェンダーだけではなく、サプライチェーン上にある人権に対しても配慮する必要があり、それだけに常に広い視野と知識のアップデートが必要になってくる。その上でビジネスをいかに成長させていくか、企業にとっても経営者にとっても重要なテーマだ。

内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)の中谷元氏からのビデオメッセージが映された他、ILO駐日代表の高﨑真一氏による「『ビジネスと人権』の企業に与える影響 ~最新動向~」をテーマにした基調講演が行われた。

また「働き方の革新を通じた「人を大切にする企業」づくり」(3月4日開催)では、新型コロナの感染拡大による社会や生活の変化により、「働くこと」への価値観が大きく変わっていく中、企従業員の働きがいや生きがいを追求にたいして、企業が何を為せるのかについて議論が行われた。コロナ禍を越えて企業は、労働時間削減などに取り組む「働き方改革」にとどまらず、働き方そのものを革新する必要があり、人を大切にする企業づくりが強く求められるという。地方創生、高齢者就労、男性の育児参加など、多様化するライフスタイルの中ならではのキーワードについても語られている。

「HR INNOVATIONS 2022」は、イベント終了後もアーカイブの閲覧が可能。またそれぞれのテーマに沿った多くの講義の動画を観ることができる。企業の経営者は人事・労務担当者にとっては非常に重要な内容だけに必聴だ。

https://www.sr-seminar.com/hrinnovations2022/