累計100万食販売の「the kindest babyfood」は何が凄いのか? 小児科医に聞いた、離乳食がお子さんに与える影響とは

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累計100万食が販売され、パパママはもとより、フードテック業界でも大きな注目を集めるベビーフード「the kindest babyfood」。熟練のフレンチシェフ、小児科医・管理栄養士らと共同開発、素材と栄養にこだわり「本当にやさしい」を謳った同商品から、新シリーズが登場し、さらなる人気を集めている(現在販売している既存商品は、「the kindest babyfood premium」としてリニューアル)。10月からは、リニューアルされた「阪神梅田本店」6階のベビー&キッズワールド内に初出店し、その勢いは増すばかりである。

販売するMiLにも注目

販売するMiLは、「パパママ、子供の”well-being(幸福)”をどう実現するかを一番大事にしている」という理念で事業展開。この考えに共感したプロサッカー選手であり投資家としても活動する長友選手が出資するなど、名だたる投資家や企業家から出資を受けるほど注目されている会社だ。

なぜ著名人たちが同社に出資をしているのか、それはパパママとお子さんにこだわる同社の姿勢にある。実は、代表の杉岡侑也氏と元保育士兼介護士の妻とは「夫婦起業」。妻の杉岡千草氏は元々ハンディーキャップを持つ子どもの世話に携わり、その子たちと関わっていく中で、特定の物しか食べない・満腹中枢が満たされないといった「食」に関する悩みを抱えている家庭をたくさんみてきたことが、創業のきっかけになったそう。「食を通じてこれまでみてきた子どもとそのご家族、また、「食」で悩まれている人たちの役に立ちたい」そんな想いから料理の勉強をはじめ、夫と共に企業決意。さらに「子どもからお年寄りまで同じ料理を食べられるようにしたい!」というシェフも合流し3人で会社を創業。

MiL創業後、食品添加物を使わず無添加の素材にこだわった食事を提供するヘルスケアに特化したレストラン「倭 西麻布」をオープン。その後、メニューとして出していた「にんじんのピューレ」を食べたお客様から「子どものにんじん嫌いが治った」という声を聞き、ベビーフードとして「the kindest」を開発。圧倒的なこだわりとおいしさが反響を呼び、約2年で累計100万食を売上げ、累計2万4千人以上に利用されるまでに成長。

「the kindest babyfood」は、どんなベビーフード?

今回発売した、「the kindest babyfood」は、「味覚を考慮したレシピ」「鮮度重視の原料選び」「素材重視の加工」「栄養バランス」「安全性の担保」という5つのこだわりポイントを持っている。

各ポイントを説明すると、同ベビーフードは、子供たちの味覚の形成や食材との出会いを楽しめるよう一流シェフが考案したレシピにもとづいており、野菜の具や肉は国産の鮮度の良いものを使用。化学調味料、着色料、香料、保存料は不使用。余計なものは使わず、素材本来の旨味を引き出した自然な味わいを大切にしている。

また商品企画という上流の段階から小児科医や栄養管理士のアドバイスを受けており、放射能検査クリア、最近検査クリア、品質検査クリアなど、安全性を最優先して作られているという。

創業時の想いが、こうした徹底したこだわりにつがなっていると言える。実際に監修したフレンチシェフの若松慎一郎氏によると「硬くなってしまいがちな肉や、ハンバーグ等も、アレルゲンである卵白や、余計な添加物を使用せずに、柔らかくおいしく仕上げられるよう試行錯誤」したと言い、「鮮度のいい安心食材を使用することももちろんですが、調味料についてもこだわって」、例えば減塩醤油では大豆と小麦、天日塩だけで作ったものを選んだりと、こだわりを詰め込んでいるとのことだ。

ちなみに現在販売されているものでは、中期のものとして「鶏ひき肉の中華がゆ」「鶏ささみのさつまいもがゆ」「真鯛と5種野菜の豆乳リゾット」、後期「豚ひき肉と彩り野菜の八宝菜」「海鮮五目ごはん」「ホタテとかぼちゃの クリームリゾット」、完了期「チーズ風味のまろやか カレーリゾット」「鶏そぼろのふわふわ親子丼」「牛そぼろとたっぷり野菜の肉じゃが」(各種5パウチ入り / 1,988円 ※税込)となっており、大人が聞いても喉が鳴りそうなラインナップとなっている。

https://the-kindest.com/category/babyfood/

小児科医に聞いた、ベビーフードが赤ちゃんに与える影響とは?

実際、ベビーフードは赤ちゃんにはどのような影響があるのか、「the kindest babyfood」の商品開発で監修を務める小児科医の工藤 紀子氏に伺った。

赤ちゃんの味覚はいつごろから発達し、脳(身体・発育)に影響を与えるのですか?

「味覚は、狭義での「舌で味を感じる」という意味では、生まれたばかりの赤ちゃんにも備わっていると言われています。しかし「食べものを美味しく感じる」ということであれば、五感である、嗅覚、聴覚、視覚、触覚を通して育んでいく必要があります。

したがって赤ちゃんには色々な食べものに触れ、感じ、存分に口だけでなく目や耳で味わい、そして「食べること」が楽しい、嬉しいことであるという経験を積んでいくことが大切になってきます。このことが赤ちゃんのより良い発達につながっていくと思います」

ベビーフードは元来厳しい基準の元作られているそうですが、そのうえで、子供にとって良いベビーフードとはどのようなものですか?

「その時に与える離乳食やお食事は、衛生面に配慮され栄養が満たされているものであれば、手作りであってもベビーフードであっても良いものです。大事なのは、『存分に経験する』『一緒にお食事を楽しむ』『食べることは嬉しいこと』という体験です」

徐々に食べ物に慣れていくことが大切で、人生でも一番成長するとされる離乳食期。パパ・ママはどのようなことに注意するべき、このようにした方がいいなど、アドバイスをぜひいただけますでしょうか?

「離乳食を手作りをする場合、初めてだったり、子どもの面倒を見ながらが大変だったり、食べてくれなかったりした時に、どうしてもイライラしてしまうことがあります。ベビーフードであれば、美味しい安全な離乳食を、赤ちゃんが食べたいその時にあげることができるので、親子ともにお食事そのものを楽しめます。そうすることで、広い意味での、「食べものを美味しく感じる」ための味覚を育んでいけるはずです。ご家族皆で食卓を囲み、ニコニコ笑顔で離乳食期間を過ごせますよう心から応援しています」

工藤 紀子氏 小児科専門医・医学博士。
順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。現在2児の母。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、Instagramや講演を通じて子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行なっている。著書に『離乳食は作らなくてもいいんです』『大切なウンチの話』など。

「フードテック」としても注目

同商品は、離乳食という親たちの大きな問題を解決するという点でも評価されている。離乳食がはじまれば、多くの親にとっては、忙しい中とにかく作るのが大変。その一方で作っても赤ちゃんが食べない、栄養・添加物が気になるなど、親たちは幾多の問題に巻き込まれることになるわけだ。

だが「the kindest babyfood」は、素材の重視や安全性を重視しながら、離乳食を作る時間を減らし、離乳食作りでのストレスから親たちを解放。その結果、親と子供が笑顔で過ごす時間が増える、そんな大きな視点での問題解決を目指している。

それだけに同ベビーフードはフードテックとして位置づけられている。フードテックは「食のフード」(Food)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、最先端のIT等を活用して、食の持つ可能性を広げていくこと。日本政府もすでにフードテックを成長産業としてサポートしていく事を決めているほどだ。

離乳食という隠れた難問から親たちをフードテックで解放する「the kindest babyfood」、今後ますます注目を集めそうだ。