「風か」は八ヶ岳の人気温泉付きホテル 老若男女の予約が殺到するその理由とは

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風か

「1000Mのおもてなし 八ヶ岳 ホテル風か(ふうか)」は、現在観光客のみならずホテル業界からも注目が集まる宿泊施設として知られている。八ヶ岳は東京から2時間程度で行けるリゾート地として、多くのホテルやコテージなどがしのぎを削る土地。それだけに同地で注目と人気を集めるには、人を魅了する何かがあるはず、その秘訣「1000M」のおもてなしを体験してきた。

風か
風か最寄り駅・小淵沢駅からは富士山がきれいに見える。

人気なのはおもてなしと、ハイクオリティなのに格安だから

「風か」のユニークなキャッチフレーズは、同ホテルが小淵沢高原・標高992mに位置し、その1000Mまで足りない8メートルを埋めるべく「8つのおもてなし」を掲げたことに由来する。992に8のおもてなしで1000というわけだ。

同ホテルは数年前までは同地でも目立った存在ではなかったが、2018年にリニューアルを行い、数年をかけて人気ホテルに駆け上がった。同業界で注目されているのは、同ホテルのおもてなし力。価格や設備としても超高級リゾートホテルではないにもかかわらず、限られたリソースのなかでの抜群のホスピタリティや、それを支えるスタッフたちが評価されている。また値段もクオリティに対して格安だと評判だ。

そのためリピーターが多く、たとえば泊まった年配客が、後日子供や孫を連れ、さらに後日その子達が…といった客が客を呼ぶ状況にあるという。

実際に泊まってみると「風か」はたしかに満足感が高く、人をともなって再訪したい気持ちがよくわかるのだ。高級ホテルや高級旅館も泊まってみれば、あっという間にチェックアウト、あとは部屋でゴロゴロした記憶しかないという場合も多いだろう。だが、「風か」は部屋以外の細部の体験が、記憶に残る。その理由が8つのおもてなしなのだ。

和風モダンな部屋は居心地が良い。

レアなお酒もたっぷりゆっくり無料で飲める

「風か」の8つのおもてなしは、同ホテル内で提供される8つの無料サービスのこと。まずチェックインしてすぐに気づくのは優しく甘い香り。これはバーカウンターにある焼きマシュマロとクラッカー、そしてハーブティー。カウンターに設置された電熱器でマシュマロをぷっくりと焼き上げ、クラッカーにはさんで食べると、旅疲れが吹き飛ぶ美味しさで、地元のハーブを使ったお茶もほっとできる。

コーヒーなどのドリンクバーもあり、夏になるとマシュマロではなく山梨県の季節のフルーツが提供されるという。他にも、温泉そばの湯上がりどころには、無料のアイスティーやアイスキャンディー、マッサージ機。客室にはホテルには珍しい茶香炉も設置されている。

無料のキッズルームやブックコーナーも設けられており、赤ちゃんを含む子供にも優しい施設となっている。

八ヶ岳といえば星がきれいに見える土地としても有名であり、同ホテルでは2018年のリニューアルの際に新設されたウッドデッキの「星見のテラス」を設置。ロビーから中庭につづくスペースにあり、満点の星空をゆったりと眺めることができる(記事冒頭の写真)。暖かい季節なら、昼間にくつろぐのも良いだろう。

そんな8つのおもてなしの中でも、お酒好きの人にはたまらないのが、夕食時のアルコール含む約50種類のフリードリンク(夕食付きプランでの提供、また時間は1時間半)。

同ホテルぐらいの価格帯としては珍しいほどのクオリティのアルコール・メニューが用意されている。プレミアムモルツ、プレミアムモルツ黒、ジャパンプレミアム甲州(ワイン)などの山梨ワイン、信州限定の本坊酒造によるマルスウイスキーTwinAlps、マルスウイスキー信州、メーカーズマークなど、あれも飲みたい…これも飲みたいと…ついなってしまった。


地元の食材をふんだんに使った美味しいフレンチを味わいながら、これらの銘酒をたっぷりと楽しめる。子どもたちやお酒を飲まない人たちが楽しめるデザート類もそろっているので、大人も子供も実にゆっくりと食事を楽しんでいる印象だ。

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風かのディナーのフレンチ料理。

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ステーキはオープンキッチンで、フランベしてくれる。炎の上がる様子を子供たちが楽しそうに見ていた。
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きれいなデザート。バイキング形式だ。

「風か」が凄いのは、さらにこれから。ナイトバーも無料で、カクテルを中心として約80種類フリードリンクを好きなだけ注文することができる(21時〜22時半まで)。

バー横にある星見のテラスから満点の星を眺めながら、家族や友人とお酒やドリンクを楽しめる。だから、風かは“夜が長い”のだ。老若男女みんなが、夜遅くまで穏やかに飲みながら談笑している姿は、実に幸せそうで感動的ですらある。

星を見ながら、大切な人たちと酒と会話をゆっくり楽しめる、そんなホテルは実はそうそうないだろう。しかもオールインクルーシブだから、料金を気にする必要もない。多くの宿泊施設では、食事をしたら部屋に戻って、家にいるのと変わらずTVやスマホやPCを見て過ごす、そんなことが当たり前。だが、「風か」にいるお客たちは、旅の時間を本当にじっくりと楽しんでいる。

風か
ものすごい数の星が、風かの上空に見える。

(余談だが、ホテル取材をしていると、お客が夜することが無いため早寝早起きしてしまい、朝食オープンに並ぶ光景をよく見かける。だが「風か」のお客は夜の時間をしっかりと楽しんでいるから、そういった光景はなく、みんなやや朝が遅い印象だ。)

ちなみに朝食はハーフバイキング形式で、地元の最高にフレッシュな野菜サラダを味わうことができる。ついでに朝の温泉露天風呂につかれば、昨晩のお酒もあっという間に抜けていくだろう。

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こっくりとした牛すじカレーもおすすめ。

温泉が畳敷きなのもおもてなしの一つ

「風か」のなかでもユニークなのが、「畳敷き」の温泉大浴場だ。同ホテルには年配者も多いため、転倒防止や仮に転倒してもショックを和らげるため、そうしてあるのだ。また八ヶ岳は夜冷えるので、畳敷きの大浴場だと、足をつけても「つめたいっ」となることがない。

風か
この黒い床、実は畳なのだ。

そして部屋の床には杉の木を使っていて、あえてスリッパを置いていない。こちらは逆に、足で木のぬくもり直に感じることができるようになっている。そういった大浴場や床といった、お客の足の裏の感覚にまで配慮する姿勢は凄い。

こういった繊細な配慮や、宿泊体験の良さから、家族でも三世代の家族などが泊まりにくるようになっている。そのため新しい部屋がさらなるリニューアルで新設されたそうだ。

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スイートのジャグジー。

星空を見られるジャグジーのついた、約80㎡のスイートルーム「FUUKAスイート」。定員2から8名の大人数でも泊まることができ、頭数で割れば決して高くない、むしろ安いとすら言える価格設定。もうひとつはプライベートバスがついた、約50㎡の「FUUKAジュニアスイート」。こちらは最大5人で泊まれ、セミダブルサイズのベッドが2台、また畳部分には3人分の布団をしくことができる。価格的にはこちらも同様だ。

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こちらはジュニアスイート。家具が可愛い。

「風か」は、1000Mのおもてなしと言っているが、現状では1500Mぐらいでも良いのでは。まだまだおもてなしが伸びそうな同ホテル、これからの標高の上がり具合も楽しみだ。

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Wi-Fiももちろん完備。
風か
実は送迎車のナンバーが「1000」なのだ!
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