シビれる辛さと華やかな香りがクセになる花椒(ホアジャオ)。昨今の激辛ブームをけん引し、料理だけでなくスナック菓子にも激辛商品が数多く登場した。今回はMVP調味料である花椒に注目した『花椒(ホアジャオ)スナック特集』をお届けする。検証するのはファミリーマート限定商品の『カルビー クセになるポテトチップス花椒味』、『スティックカラムーチョ花椒』、『花椒(ホアジャオ)スナック特集』の3商品。それでは早速いってみよう!
花椒は痺れを加える中国生まれのスパイス。華やかな香りも特徴的
「花椒」とは、中国原産の四川料理で使われるスパイスのこと。麻婆豆腐や回鍋肉などでよく使われており、ビリビリとシビれるような辛さと華やかな香りが特徴だ。唐辛子やハバネロとは全く違うその刺激にハマってしまう人も多く、スーパーの店頭でも花椒をよく見かけるようになった。
日本原産の山椒と似ていて、どちらもミカン科サンショウ属の落葉低木だが種類は異なる。花椒は山椒に比べてシビれや香りが強く、山椒がニオイ消しやアクセント程度に使われるのに対し、料理の辛味系の味付けに使われることが多い。似たような名前と特徴だが、使用目的は大きく異なっている。
今回の「花椒(ホアジャオ)スナック特集」では、花椒の強烈な辛味と香りをいかに楽しめるかを検証する。対象は3つ。ベースとなるスナックの美味しさはもちろん、いかに激辛通の舌に響くのかも踏まえて食べ比べてみよう。
カルビー『カルビー クセになるポテトチップス花椒味』
1番手はカルビーの『カルビー クセになるポテトチップス花椒味』(45g・通常価格141円・2019年7月30日発売・ファミリーマート限定・数量限定)。激辛スナック=黒 or 赤のパッケージというイメージだが、こちらは白をベースとしたスナック市場でも珍しい配色だ。
中国を表現したパンダが可愛くて思わず目を引くデザインとなっている。商品名や“ホアジャオ”のルビにも遊び心が現れており、とても花椒を使った激辛商品とは思えない。
バリっと袋を開けると、担々麺のような香りがふわり。実は花椒の他にも粉末味噌と白ごまが使われており、総合すると担々麺のような構成となっているのだ。意図されているわけではないが、なんとも食欲をそそる。それではいただきます。
少し硬めの食感のポテトチップスとなっていて、同社の販売する「堅あげポテト」との中間くらいの歯ごたえ。「堅あげポテト」は美味しいが、硬すぎて口を切ることもある。これくらいならバリバリと気軽に食べられそう。
だが、肝心の花椒具合はというと、記者が激辛通であることを考慮しても控えめ。風味でふわりと楽しめる程度だ。説明には、ピリッとした刺激的な辛さを楽しめるそうだが、ほとんど感じない。疑問に思い原材料を見てみると、花椒は重量比で最も少くなっている。確かにこれならシビれないだろう。
パッケージの可愛らしさを考慮すると、おそらく花椒に対するイメージを払拭するような立ち位置といったところだろうか。シビれがない点だけを除けば、噛めば噛むほど旨味を感じられる一品だった。クセになる、というのは間違いない。
湖池屋『スティックカラムーチョ花椒』
2番手は湖池屋の『スティックカラムーチョ花椒』(40g・実勢価格 税込128円・2019年8月20日発売・ファミリーマート限定)。かつて激辛ブームの先頭に立ったブランドが最新作となって登場だ。こちらもパッケージが従来の赤から金色に変更されており、なんとも高級感あふれるデザインとなっている。だが、よくよく見ると面白い仕掛けが施されているようだ。表面には、辞書から引用した花椒の説明文が掲載されており、花椒ってよく聞くけどどんな食べ物? と知らない人に説明をしている。
かと思いきや、実は真面目なのは初めの1文だけ。続く文章からは、“湖池屋カラムーチョと非常に相性が良いと思われるスパイス”と書いてあったり、例文には“無人島に何かひとつだけ持っていけるとしたら俺は迷わず花椒を選ぶ。”など、おふざけ文が続いている。思わず全文読んでしまう遊び心が憎たらしい。
さっそく検証の方に移ろう。袋を開くと、妙にリアルな花椒の香りが広がる。まるで実をそのまま嗅いでいるような植物感があるのだ。念のために補足すると、花椒の香りは意外と爽やか。なので、この植物っぽさこそ本来の香りである。
スティック状となっているので、数本まとめて口の中へ。期待通り、ダイレクトに花椒の刺激が伝わる。初めのひと口でピリッとするのだから、手を休めずに食べると最終的にはなかなか強烈な辛さへと進化しそうだ。
本家カラムーチョと異なるのは、花椒のほかに味噌も追加されていること。味のベースを担っており、深みのある旨味が感じられる。ただ辛いだけなら激辛ブームは発生していない。こうした辛さと旨さが両立しているからこそ何度もこの刺激を追い求めてしまうのだ。
味噌の効果もあってか、かなり食べやすく最終的なシビれ具合は程よい感じ。花椒をしっかりと楽しめる一押し商品だ。
おやつカンパニー『おやつカンパニー ベビースタードデカイラーメン辛くて痺れるラーメン味』
最後は、おやつカンパニーの『おやつカンパニー ベビースタードデカイラーメン辛くて痺れるラーメン味』(45g・通常価格 税込み130円・2019年8月6日発売・ファミリーマート限定・数量限定)。「ドデカイラーメン」シリーズの新作だ。これまでにも「ベビースタードデカイラーメン 蒙古タンメン味 / 北極ラーメン味」や「ベビースタードデカイラーメン 鬼金棒カラシビ味噌らー麺味」といった激辛系商品を繰り出してきたが、花椒単体での挑戦は調べた限り初めて。
フレーバーだけでなく約15本分を一度に食べられる生地に唐辛子と花椒を練りこまれている。原材料の重量比も3番手の比率を占めている。これはかなり期待できそうだ。
袋を開けると、意外にも花椒の香りは控えめ。どちらかといえば、チキンがふわりと漂う。
本当に辛いのかなぁ、と少し疑問に思いつつパクっとひと口。むむっ、これは辛い! 生地に練りこんでいるだけあって、噛めば噛むほどその刺激があらわになり、舌を刺激してくる。
それでいてお馴染みの濃厚なチキンの旨味があるから、旨辛のバランスがちょうどよくパクパクと食べ続けられる美味しさに仕上がっている。
難点をあげるとすれば、飲み物が欲しくなること。濃い味付けなので、内容量45gとはいえ一気に食べきるのはつらい。できればビールやコーラのような、スカッとさせてくれるものと一緒に楽しみたい一品だ。
同じ花椒を使っていても特徴は様々。一番辛いのは『スティックカラムーチョ花椒』
花椒と言っても、使い方ひとつで表現される味は多岐にわたる。今回の特集でも実に様々な刺激が楽しめた。『カルビー クセになるポテトチップス花椒味』は、風味で花椒を感じる激辛なイメージを払拭する新しいベクトルの商品だった。
『スティックカラムーチョ花椒』 は、花椒の本来の姿を楽しめる爽やか系スナック。辛さ、香り、旨味、全てをダイレクトに味わえるので、ファンにおすすめしたい1品だ。『おやつカンパニー ベビースタードデカイラーメン辛くて痺れるラーメン味』は、おつまみに適した商品。チキンとのバランスがとてもよく、ラーメンを思わせる完成度の高さを感じた。一杯やりたい人におすすめだ。
いずれの商品も、一部地域を除く全国のファミリーマートで発売中。数量限定商品なのでお早めに。