ワニ革といえばバッグなどに利用される高級素材だが、当然生きたワニを屠殺し、その皮を剥いでいるわけだ。そんなワニの屠殺された姿が、あまりにむごいとして海外で話題になっている。
写真を見るとたしかに衝撃。まるで河岸のマグロのように並べられた尻尾、尻尾、尻尾。すべて屠殺されたワニたちの尻尾なのだ。その数88個体分だという。
これらのワニは中国、ベトナム国境近くなどに生息するシャムワニという絶滅危惧種。たまたま密輸業者が輸送していたものが、中国公安当局に捕まり、今回の画像が公開されることになった。
バッグや財布などに加工されるほとんどのワニは、養殖されたものが使われている。また業者も傷がついていないことから、野生のワニよりは養殖のワニを好むという。とはいえ、それでも違法に獲られたワニの皮は、高額で取引されるために密猟・密輸が後を絶たないのだ。
世界的にも毛皮用の動物の飼育への反対の声も増加しており、それらの議論に今回の画像は、さらなる一投となるだろう。
文/高野景子