佐野実氏だけじゃない早死にするラーメン業界人 相次ぐラーメン殉死

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※画像は『佐野実、魂のラーメン道』
※画像は『佐野実、魂のラーメン道』
「ラーメンの鬼」と呼ばれて90年代からラーメン業界を牽引した、佐野実さんが今月11日午前2時57分に、多臓器不全で亡くなった。まだ63歳だった。3年ほど前から糖尿病をわずらっており、療養中だったという。あまりに早すぎる死だ。

「現在のラーメン業界の隆盛は、佐野さんというスターによるところが大きい。ああいう突出した個性のある人がメディアに出たことで、ラーメンはエンターテイメントになったと言えます」(グルメ雑誌編集者)

佐野さんが糖尿病を患ったのは他のラーメン店を育成し、自身の店を進化させていくため、日々ラーメンを食べていたのが原因の一つであり、職業病とも言える。

またラーメン業界の隆盛に一役かった“伝説の人”も同じようにして亡くなっているのも興味深い。

「TVチャンピオンの第二代ラーメン王で、ラーメン評論家だった武内伸さんも肝硬変で亡くなっています。武内さんも48歳という早逝でした。佐野さんとは盟友で、氏が亡くなった時には『最後に見舞いに行った時、たけちゃんの息が“ラーメン、ラーメン”と言っているように聞こえた』『彼はラーメン業界の国宝みたいな人。棺にはラーメンを入れようと思っている』と取材に答えています」(同前)

武内さんは「ラーメンは鶏ガラ、豚ガラ、(店主の)人柄の3ガラ」という有名な名言を残した業界の“偉人”だ。他にも「私はラーメンを語り、ラーメンを広めることで収入を得て、ラーメンに食べさせてもらっている。ラーメン様には足を向けて眠れない」という名言も残している。

佐野実さん、武内伸さん、いずもれまさにラーメンへの殉死だ。美味い一杯に賭けたその死に様には、胸を打たれる。

文/鷹村優