不快感を示しているのは、韓国だ。なぜならば、かつて軍艦島では徴用された韓国人たち約500名(1945年当時の軍艦島の人口は5300人程度)が働かせられていたためだ。
昨年にはユネスコに対して韓国代表団が「世界文化遺産として適切ではない」という意図を伝えており、韓国メディア・東亜日報はユネスコ事務局長に対して「強制労働の行われた軍艦島が推薦されたこと」についてインタビューを行なっている。
その中でイリーナ・ボコバ ユネスコ事務局長(62)は「ユネスコ世界文化遺産指定は、関係国間の分裂と対立を助長するよりも、相手に平和と和解のメッセージを発信するものです」と答えている。ユネスコサイドがこうした政治的な要素を含む発言をするのは異例中の異例。
それだけに日本の政府関係者の間では「軍艦島を入れたのはミスだったのでは」という声もあるという。実際韓国サイドが強い不快感を示したことは、ユネスコサイドの判断にも大きく影響すると見られている。
文/鷹村優