10月1日、吉野家ホールディングスは、福島県と白河市の協力により、同市に農業生産法人「吉野家ファーム福島」を設立した。
吉野家によれば「吉野家で使用する食材の安全性を追求し、吉野家の食材について自社生産が可能な分野はないかを検討した結果、今回、福島県の支援を受けながら協力農家と連携し「吉野家ファーム福島」を設立することができた」としている。
「吉野家ファーム福島」は14年4月から野菜加工センターを稼働させ、吉野家グループ各社で使用するコメ、玉ねぎ、白菜、キャベツ、青ネギなどを加工。また、17年度までにはコメの収穫35トンを目指しているという。これは現在の吉野家の年間コメ使用量の約0.1パーセントに当たる。工場では地域雇用を行い、東日本大震災の復興に尽力できればとしている。
気になる農産物の安全性だが、福島県による緊急時環境放射線モニタリングやコメの全量全袋検査及び出荷団体等による自主検査によりすでに安全だと確認されているという。だがロイターなどの海外メディアは「日本のファーストフードチェーン、福島第一原発から100kmのところに農場設立」など驚きをこめてこのニュースを報じた。吉野家の福島復興へ尽くす姿勢は素晴らしいが、海外の投資家などは国内の消費者が拒否反応を示すのではないかと、この動きにも注視しているという。
(文/高梨徹)