G20海洋プラスチック問題解決につながる日本企業の技術 飲める水作ることでプラごみ減少


G20大阪サミット最大の焦点「海洋プラスチックごみ問題」

20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が、6月29日、大阪首脳宣言を採択して終了した。安倍晋三首相はTwitterで「海洋プラスチックごみなどの世界的な課題について、各国の違いを強調するのではなく、一致点、共通点を粘り強く見いだす努力を重ね、最終的に、世界の結束を示すことができたと考えています」とツイート。

このように海洋プラスチックごみ(廃プラ)は、日本をはじめ世界がかかえる大きな問題であり、G20による宣言採択をしたとはいえ、今すぐに解決をみるものではない。一方今年1月、中国政府が、世界中から受け入れていた資源ごみとプラスチックごみの輸入を禁止。国や企業による対応はもとより、企業による技術の革新が求められている。

プラスチックごみを生むのは劣悪な水道水?

海洋プラスチックごみのなかでも大きな割合を占めるものにペットボトルが挙げられる。日本でも多くの清涼飲料水がペットボトルで販売・消費されているが、海外となると事情が異なる。水道水が飲める品質にないためにペットボトルで水を買わざるをえない国や地域は多く、それがごみ問題の原因になっているのだ。

これらの問題の解決につながるのではないかとして、日本システム企画株式会社(東京都渋谷区)が特許を持つ、水道管の更生装置『NMRパイプテクター』が注目を集めている。

パイプテクターは老朽化した水道管につけることで、赤錆が人体に無害な黒錆へと変化させ、水の品質を向上。またコスト面から考えても、水道管を取り換えずに水をきれいにすることが可能になるのだ。従来の配管工事に比べ費用は10%から20%程度に抑えることができ、建造物に負荷を与えることも少ない。

そういった低コストさや建物・環境への負荷が少ないことから、先進国はもとより途上国でもその導入について検討されている。国内およびベトナム等で広範な地域の水道管に設置する実証が行われており、目視でわかるほどの水質改善・赤錆防止の効果が得られているという。

1996年に開発されて以来、英国バッキンガム宮殿や大英博物館でも採用されている他、現在まで国内外で1万棟を超える設置実績を持つ。また築20年を超えるマンションの大規模修繕に重宝されるケースも多いという。

日本初の発明が世界を変えるのか

『NMRパイプテクター』を開発した日本システム企画は、G20開催中の6月27日にメディア向けセミナーを行い、海洋廃プラ汚染問題に対しての技術的な問題解決方法などを発表。同社代表の熊野活行氏は、全世界の水道水問題の一部に老朽化した配管の赤錆問題を指摘。パイプテクターなどを使い飲める上質の水を確保することで、世界の廃プラ問題を減らしていくことができるのではないかと語った。

熊野活行

実際、途上国などではインフラへの予算が足りず、大掛かりになる配管の更新作業は後回しにされがち。そのため古い排水管を使い続けることで、殺菌用塩素が大量に入ったり、赤水が出るような劣悪な水しかないといった状態がままある。パイプテクターのようなコストの低い装置なら、そんな状況を変えていくこともできそうだ。

海洋プラスチックごみ問題の解決方法として、生分解性プラスチックなどが注目を集めているが、プラスチックごみそのものを減らすことが一番であるのは間違いない。日本初のパイプテクターのような素晴らしい発明により、世界がもっとクリーンに美しくしくなっていくことを期待したい。


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