全日本まくら投げ大会が開催(伊東市) まくら投げがスポーツ化、今後ワールドカップへの期待も

全日本まくら投げ大会オフィシャル画像

2019年5月25日(土)に、温泉で有名な静岡県伊東市で、「【静岡DC特別企画】全日本まくら投げ大会 in 伊東温泉」が開かれた。修学旅行の夜などに旅館で行なわれている、あのまくら投げがルールの整備されたスポーツになったのだ。

会場は伊東市民体育センター。試合が行なわれる体育館に入ると、新体操の元日本代表でタレントの畠山愛理さんをモデルとして起用した、インパクトのあるビジュアルのポスターが飾られ、試合の“ユニフォーム”である浴衣を着た選手たちがワイワイと談笑しながら大会が始まるのを待っていた。

まくら投げをスポーツにするってどういうことだろうと記者が首をひねっていると、試合開始に先駆けてルール説明のためのデモンストレーションが行なわれた。「まくら投げってまくらをぶつけるだけでしょ」と思っていたのだが、意外にも(失礼!)ちゃんと細部まで決められたルールに驚いてしまった。ルールを覚えられるかと不安にもなったが、1試合見れば十分に理解できた。

全日本まくら投げ大会の試合の様子
全日本まくら投げ大会の試合の様子02
全日本まくら投げ大会の試合の様子03

ゲーム性を高めるルール

ルールは細かく決められているが、把握しておくとよいと思われたのは、以下のポイント。

・試合は1セット2分で3セット行なわれて、2セット先取したチームが勝利。
・1チーム8人編成。
・まくらをぶつけられた選手は退場。
・ドッジボールと違って、まくらをキャッチしても退場しないといけない。
・まくらを投げ合う選手は、自陣の畳のフィールドから出てはいけない(畳から出たら退場)。
・かけぶとんを持って相手が投げてきたまくらをさえぎる、防御専門の「リベロ」という選手が各チームに1人いる。
・大将がまくらを当てられた時点で、そのセットは負け。
・時間切れになった場合は、残った選手が多いチームがそのセットの勝者。

まくら投げのゲーム性を高くしているのが、「先生がきたぞォ~」コールである。両チームとも1試合中1回だけコールできるのだが、「先生がきたぞォ~」と拡声器を使って叫ぶと、どちらのチームも規定の時間内は、まさに見回りの先生が来た修学旅行の生徒のようにまくら投げを中断して時間がすぎるのを待たないといけない。

この際、コールした側の大将だけは自由にフィールド内を歩き回って、まくらを回収できる。つまり、うまくすれば試合が再開する時点で自分のチームが武器であるまくらを独占しているという、非常に有利な状況を作り出せるのだ。

ただし、コールしてまくらを集めても、その時点でチームのメンバーが多数脱落していると、まくらを十分に活かすことができない。コールするタイミングの選び方は難しいが、観客としてはどこでコールするのかを見るのも楽しい。

また、防御専門のリベロは各セット残り30秒になると役割が終了するというルールも、ゲーム性を高めていた。この時間が来るとリベロはまくらを防ぐふとんを置いて、通常の選手として試合に参加しないといけない。盾となるリベロがいなくなることで、必然的にセット終盤には互いの攻撃が激しくなるという仕組みになっているのだ。

全日本まくら投げ大会の試合の様子04

地元静岡だけでなく、関東・関西からも参戦

このように見応えたっぷりなスポーツまくら投げに挑んだのは、地元静岡のみならず、東京、千葉、神奈川、大阪と各地から集まった計16チーム。年齢も幅広く、職場の仲間で組んだチーム、趣味の仲間で組んだチーム、現役高校生の部活の仲間で組んだチームなど、バラエティも豊かだ。

リーグ制の予選が行われたのち、8チームでの決勝トーナメントが行なわれた。決勝トーナメントの第1試合と第2試合が2つのコートで並行して進んだが、どちらもいきなり開始早々の最初の1投で相手の大将を仕留めるなど、試合はスリリングなものとなった。

全日本まくら投げ大会優勝チーム

決勝戦では、千葉県の「ブランホワイト」と神奈川県の「FUJINAMI」が激突。予選の第1試合でブランホワイトに負けているFUJINAMIにとっては、リベンジと優勝がかかった一戦となったが、「先生がきたぞォ~」コールを巧みに利用したブランホワイトが勝利して優勝を飾った。

大会を伊東観光協会と共に主催した伊東市の小野達也市長は「数年以内に伊東市でまくら投げワールドカップを開催する」と力強く語っているが、スポーツとして気軽にプレイできるハードルの低さと、ゲーム性の高さをあわせ持つまくら投げのポテンシャルを考えると、実現不可能な夢とは思えない。この記事を読んでまくら投げが気になったあなたは、ぜひ仲間を誘ってチャレンジしていただきたい!