2010年のバンクーバー・オリンピックで、マスコミが叩きまくったのが、スノーボード・ハーフパイプ日本代表・國母和宏選手(25)。そんな彼にいま注目が集まっている。ソチ五輪で日本代表スノーボードの技術コーチとして、平野歩夢の銀メダル獲得と平岡卓の銅メダル獲得に貢献したためだ。
國母選手がバッシングにあったのは、バンクーバーに向かう際に、日本選手団公式ユニフォームを腰パンにし、ネクタイ緩め、シャツの裾も出すというスタイルで成田空港に現れ、「結果よりも内容。(滑りを見て)格好いいと思ってもらえればいい。最近のスノーボードはすげぇダセえから」と発言し、バッシングの対象になった。
JOCは日本代表選手団団長の橋本聖子を通じて、スノーボード監督の萩原文和に厳重注意。また政界では衆議院予算委員会でこの問題について自民党の衆議院議員下村博文が取りあげ、川端達夫文部科学大臣(当時)が批判的な答弁を行なっている。
このようなバッシングにに遭いながらも、選手としての実績はすさまじい。スノーボード会ではオリンピックよりも価値があると言われることもある、バートン・グローバル・オープンで2010年、11年を1位で連覇しているのだ。スポーツブランドからのスポンサーも付き、現在は契約金も数億円を突破し、年収にして数千万円、カリフォルニア州に暮らしている。
マスコミは当時「カメラが腐る」「国母「反省してま〜す」自粛、謝罪も相変わらず」「男子ハーフパイプ―精神面のサポート不足/チームの団結も欠如」などと批判的に報道、今回も「反省した」「改心した」といった見出しで報道している。
だが実際にスノーボード界では
「国母くんはものすごくサバサバした性格で慕われているし、世界一の技術の持ち主としてカリスマです。自然保護運動にも積極的だし、仲間のスノーボーダーが病気になった時には治療費のために基金も立ち上げるなど人間的に本当にできた人。だから、こそ平野選手なんかも彼を師匠にしていた。だから今回の『改心』みたいな報道は本当に腹が立ちますね、もともとが素晴らしい人なので」(プロスノーボーダー)
マスコミの手のひら返しのほうが、スノーボードのトリックよりも凄かったりして。
文/編集部