ふるさと納税の新しいありかた「きふと、」に自治体の注目集まる 寄付金は社会的弱者に使われる

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きふと、発表

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京都目黒区)と群馬県前橋市、岩手県北上市の3者が、ふるさと納税の返礼品問題に一石を投じるプロジェクトを共同で発足させた。

これは思いやり型返礼品プロジェクト「きふと、」。寄付の見返りにもらえる返礼品が、納税者への直接的な見返りにならないというもので、「自分のため」ではなく、身体障害者や貧しい子どもたちなど、困っている「誰かのため」に車椅子や食料品などを届けるという。

ふるさと納税といえば、大阪府泉佐野市が「100億円分のAmazonギフト券還元キャンペーン」をはじめ、総務省と対立を深めるなど、何かと問題になっている。そんな返礼品問題に対してのアンチテーゼとなる形だ。

本来のふるさと納税のあり方に立ち返る

今回のプロジェクトについて、山本龍・前橋市長は「正しい善意を横に広げていきたい」と語り、高橋敏彦・北上市長は「これから『きふと、』の取り組みを通じて、本来のふるさと納税のあり方に立ち返り、この動きを全国に広めていきたい」と語っている。

「きふと、」に参加するためには、総務省による通知を遵守していること、自分のためではなく誰かのための返礼品であること、などの要件を満たす必要がある。

現在の返礼品問題の根本には、総務省が自治体に求めてきたガイドラインに対して、自治体が応じる義務がなかったことがあげられる。総務省はこれまで「返礼率は3割以下」「返礼品は地場産品」としてきたが、いまだ従っていない自治体も数多く存在。

そんな現状だけに、今回のプロジェクトが全国の自治体にどう受け止められていくか注目が集まっている。

2019年度中に100以上の自治体参加を目指す

2月18日、東京都内で上記三者が行った会見では、参加自治体を今後募り、2019年度中に100以上の自治体を加えるとの目標を提示。

前橋市は2017年7月から、北上市は2018年11月から、寄付金を高齢者の送迎支援や車椅子の寄付に使うという取り組みを実施しており、トラストバンクを通じて全国の自治体にも呼びかけていくという。

今回「きふと、」プロジェクトに参加した自治体は、ふるさとチョイスの特設ページで告知や共通ロゴの使用などが可能になり、またふるさとチョイスでは、4月上旬にはこのプロジェクトのカテゴリが追加されるという。