世界的に話題となったトマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)は総ページ数700にもおよび、そして定価5940円。学術書としてはともかく、一般書として考えればかなりのお値段。だが、ブックオフなどの古書チェーンに売った場合の価格は現在700円…。
■読むのに挫折した人が、続々売り払っている?
「昨年12月発売なので、けっこう状態のいいものが持ち込まれていますね。だが、ほとんど読まれた形跡がないものが多いです(笑)。うちはブックオフさんより高くて1000円ぐらいで買い取ってますが、『そんなに安いの? 話題のピケティだよ?』なんて言われます」(古書店店主)
調べてみると、たしかにブックオフは700円、また別の古書チェーンでは650円のところもある。6千円近くだして買った本が、牛丼の大盛りレベルの値段になってしまえば、たしかにショックだろう。
■ベストセラーゆえに値崩れも
古書の買い取り価格は、発売日からの時間経過による部分も大きい。一番話題となった昨年12月から1月であれば、もうすこしいい値段で売れた可能性もあるだろう。
「現在でもAmazonや大手書店ではベストセラーになっていますが、それだけ流通量が増えているということ。1年後にはブームも終わり、今よりもっと値崩れしているかも知れませんよ(笑)。古本屋で『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』とならんで100円棚に置かれでもしたら、定価で買った人はショックでしょうね」(同前)
■本は中身にこそ価値がある!はず
100円本と同じになったらばそれは辛い。とはいえ、あくまでその内容にこそ価値があるわけで…ピケティ読者ならば、そんな流通価格の問題なんてとっくにわかってるはずだろう。
ちなみにつけくわえておくと、ネットで探せばまだ2000円以上で買い取ってくれる店もあるので、売りたい人はよく探すべし!
文/原田大