幼児期の厳しいしつけ、不安や鬱病のリスク高める

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ミシガン大学による最新の研究で、幼児期に厳しいしつけを受けた子どもは、脳全体のコミュニケーション経路に影響を受けやすく、その後の人生で不安や鬱病のリスクが高まる 可能性があることが明らかになりました。

この研究は、JAMA Pediatrics誌に掲載され、3歳、5歳、9歳の時点で、親の厳しいしつけと温かいしつけが、15歳の時点での脳の発達にどのような影響を与えるのか、そしてそれが成人後のメンタルヘルスにどう関係するのかを調査したものです。

研究データの詳細

* 21年間の追跡調査:デトロイト、シカゴ、トレド(オハイオ州)の低所得層の親子を対象とした、21年間の長期的な追跡調査のデータを使用。
* 対象者:173名の若者を分析。
* 調査方法:
* 親は、心理的・身体的な攻撃を含む厳しいしつけについて報告。
* 観察者は、温かいしつけ(反応性)を記録。
* 15歳の時点で、脳画像検査を実施。
* 6年後(COVID-19パンデミック時)、参加者は不安や鬱の症状を報告。

幼児期の子育て: 厳しいしつけは脳全体のネットワークに影響?

研究の結果、幼児期に厳しいしつけを受けた子どもは、15歳時点での脳全体のネットワークに影響が見られ、情報伝達の効率が低下している ことがわかりました。

一方、児童期後期(9歳頃)の厳しいしつけは、感情の処理と調節に関わる扁桃体と前頭前皮質を含む、特定の脳領域に影響 を及ぼすことがわかりました。

適切な子育てとは?温かいしつけが不安や鬱のリスクを軽減

一方で、児童期中期(5歳頃)に温かいしつけを受けた子どもは、扁桃体と脳の他の部分とのつながりが良好 で、15年後のCOVID-19パンデミック時における不安や鬱の症状が少ないという結果が出ています。

脳の発達に影響する「敏感な時期」と子育ての重要性

この研究は、脳の発達には「敏感な時期」があり、その時期に受けた経験が、その後の人生に大きな影響を与える ことを示唆しています。

研究チームのルーク・ハイド教授は、「この研究は、発達心理学における長年の疑問、つまり子どもの脳の発達に敏感な時期があるのかどうかを、新しい方法で検証したものです」と述べています。

子育て支援と早期介入:子どもの健やかな成長のために

論文の筆頭著者であるクリーンシス・マイケル氏は、「これらの経験は、後の鬱病や不安のリスクに影響を与えるようであるため、この研究は、治療と政策にとって、健康的な長期的な発達を促進するための脆弱性と機会の時期を浮き彫りにしています。親のための介入や、親を支援する政策は、人生の早い段階でより大きな影響を与える可能性があります。」と述べています。

この研究は、子育て支援やメンタルヘルスの予防において、早期介入の重要性を示す重要な結果をもたらしました。

子どもたちの脳と心の健やかな発達をサポートするため、親だけでなく、社会全体で子育てを支援していく必要があるでしょう。

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