9月1日は「防災の日」。現在の新型コロナウイルスでつい忘れがちだが、日本は災害大国だ。内閣府防災情報によれば、世界全体に占める日本の災害発生割合は,マグニチュード6以上の地震回数20.8%,活火山数7.0%,死者数0.4%,災害被害額18.3%など,世界の0.25%の国土面積に比して,非常に高くなっている。
それだけに日本で暮らす我々は日々防災、減災を考える必要がある。とはえい防災情報は多岐にわたり、自分にとって有用な情報を収集するのが難しいのが現状だ。
その中でもわかりやすく防災情報を発表しているのが、こくみん共済coop〈全労済〉による「もしもプロジェクトTOKYO」の「もしもの100」。
「もしもプロジェクト」とは
「もしもプロジェクトTOKYO」はこくみん共済coopが東日本大震災から10年を迎える2021年、これまでの災害対応の中で得た教訓と経験をもとに、更なる防災・減災の普及とネットワークづくりを推進すべく生まれた新たな取り組み。防災・減災の普及啓発活動やセーフティーネットづくりを行っている。
キーワードとなる「もしも」は、災害への備えを「もしもの前」「もしもの備え」「もしもの後」の3つのフェーズで捉えるため。「もしもの前」では防災・減災の普及啓発、「もしもの備え」では共済の普及促進と 災害時の迅速な対応、「もしもの後」では復旧・復興・生活再建に向けた取り組みなどを、自助・共 助・公助の観点で強化、発展させていくという。
防災に役立つまとめ『もしもの100』
このプロジェクトによる、防災・減災をわかりやすく伝えるパンフレットが『もしもの100』。
株式会社DE ストラテジックプランナーの松木啓氏が監修したもので、同氏によれば、「20以上の参考文献を基に情報収集を行いましたが、どうしても情報過多になってしまいがちだと感じたので、誰にでも簡単に見てもらえるように意識し表現も工夫しました」というもので、情報も古いものではなく2017年以降ものを中心に、女性・障がい者・シニア・ペットなど多様性を意識して制作されている。
その一部を抜粋すると、
■災害時帰宅支援ステーション
「『徒歩による帰宅者』のための休憩地点です。水やトイレを提供してくれます。コンビニやファミレスがこれに該当します。このマークを覚えておきましょう」
■冷静な判断ができるのは10%
「75%が思考停止。15%が泣き叫ぶ。冷静な判断ができる人は残り『10%』と言われています」
■ツイッターで救助要請
「災害情報に関するアカウントをフォローしておくと、もしものときに正しい情報が手に入ります。 110番がつながらないときは「#救助」でツイート。助けを呼ぶこともできます」
■地下はむしろ安全
「地下鉄や地下街は基本的に安全です。逆に危険なのはパニックを起こして出入り口や階段に殺到すること。冷静に対応しましょう」
といった、知っておくと役立つ防災知識が簡潔にわかりやすく書かれている。他にも、「基本のもしも」として災害時に役立つものとして
001:ヘルメット
002:スニーカーを職場に置く
003:予備の眼鏡
004:使い捨てカイロ
005:革手袋
006:現金
007:ホイッスル
008:防災ポーチ
009:持ち出し袋の適切な重さ
010:車脱出用ハンマー
011:ガソリンは満タンに
012:避難所は複数覚えておこう
013:重い荷物を、軽く積む。
014:災害時帰宅支援ステーション
015:ゴミ袋
016:ラップ
017:手回し充電器付きラジオ
018:防臭袋
019:フィッシングベスト
020:電源つきランタン
021:ダンボールで転倒防止
022:レースカーテン
023:連絡先メモ
024:避難はしご
025:感震ブレーカー
026:「共済」という備え
027:油性マジック
028:連絡方法をたくさんもつ
029:災害伝言ダイヤル
が記されていて、他にも、「避難所の生活」「水のない生活」「食べ物のない生活」「電気のない生活」「女性のもしも」「シニアのもしも」「障がい者のもしも」「ペットのもしも」「もしもの『後』にできること」といった項目ごとに、役立つものがまとめられている。
(参考) https://www.zenrosai.coop/bousai-gensai/moshimo-project/
新型コロナウイルス対策も重要だが、災害大国の日本ゆえに、防災への意識と知識も持っておきたいもの。自分にあった「もしも」を今のうちから考えておくと良いだろう。