こんにちは。プログレアイドル・xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム。通称・キスエク)の一色萌(ひいろ・もえ)です。
早くも6月中旬となり、今年の半分が終わろうとしています。
半袖で過ごせる日が増えて、夏の気配もすぐそこに感じるようになってきました。楽しい夏はあっという間に過ぎてしまうことを知っているから、始まる前からなんだか少しセンチメンタルな気分の今日この頃です。
相変わらず日々様々なニュースが飛び込んできて忙しないアイドル界ですが、私自身を取り巻く環境も前回この連載を更新した1ヶ月前と比べると大きく変化していて、その流れの速さを改めて実感しています。
流されないように、一歩一歩を踏みしめて進む気持ちを新たにするために、自分の現在地を確認する。今回はそういう回です。
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先日、私はアイドルになって3回目の生誕ライブを開催させていただきました。
私が生誕ライブに対しての思いをかなりこじらせてしまっているということは
以前この連載でも取り上げた(https://mogumogunews.com/2018/07/topic_21911/)通りなのですが、今年も「自分の誕生日を祝いに来てください!」という甲斐性はなく、昨年と同じように「私が好きな人を呼んで、来てくれた皆さんにライブを楽しんでもらう」という志向のイベントにしたいと相談し、ゲストさんの希望を伝えました。
当日素晴らしい皆さんにご出演いただけて、「全組楽しかった!」と満足そうに帰っていくみなさんの背中を見送ったとき、今年も開催できてよかったという実感がわきました。ご来場くださったみなさま、改めましてありがとうございました。
そんな今年の生誕ライブですが、実は純粋にライブを見て楽しんでもらいたい!という意図とは異なる文脈が存在していました。
あの日、楽しいライブの裏でひっそりと、私の夢がひとつ叶っていたのです。
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私が姫乃たまさんを知ったのはおそらく5年ほど前、初めてご本人を目にしたのはライブではなく、トークイベントでした。
当時の私はアイドルに対する知識欲を持て余していて、ライブだけでは飽き足らず少しでもアイドルに話題が及びそうなトークイベントに目星をつけては足を運んでいました。
その時に目に入ったイベントのひとつに、社会学者やライターの方と並んで姫乃さんの名前がありました。その時は「アイドルが出るならアイドルの話がたくさん出るに違いない!このイベントは楽しそうだ!」くらいの認識だったと思います。
「地下で活動しているソロアイドルのひとり」以上でも以下でもなく、姫乃さんがどんな方なのかほとんど知らない状態でイベント会場に行った私は、明るくて狭い、着席の店内で突然始まった”いかにもアイドル”なオープニングアクトに面食らいました。この人はオープニングアクト要員でトークに参加する訳ではないのかと早合点して、少しがっかりしていたかもしれません。
しかし、トークパートに入ってその印象は一転しました。ふわふわとしたやわらかい物腰でいながら、アイドルや自分自身について冷静かつ客観的な目線で核心をついた発言をする様子にギャップを感じ、その言葉と姿が強く脳裏に残りました。
その後も何度か私の気になるイベントに姫乃さんがいて、そのうち姫乃さんの出演するイベント自体が気になるようになって、連載を読み、ライブに行き、音源を買い、書籍のサイン会に行き……気づけばすっかり姫乃さんのファンになっていました。
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「姫乃たま」は言葉の人で、文章の人です。
姫乃さんと会話している時は姫乃さんの発音する言葉が頭の中で文字になり、姫乃さんの文章を読んでいる時は頭の中でその文が姫乃さんの声で再生されます。
姫乃さんの言葉と文章はお互いがぴったりとくっついていて、紙面や画面を通してもほのかな体温が残っている感じがします。
アイドルといえば歌とダンスで表現するもので、そのほかの表現はサブ的な立ち位置で、メインの活動にはなり得ないと無意識のうちに思っていました。
身体的な表現がもともとあまり得意でなく、文字に自己表現を頼っていた私にとって、言葉や文章で表現するアイドルとして姫乃さんが存在していたことは、とても幸運で、うれしくて、勇気の出ることでした。
4月30日、姫乃さんは活動10周年を節目にそれまで肩書きとして掲げていた「地下アイドル」の看板を降ろされました。
しかし今私がアイドルという立場からトークイベントに出演できたり、こうして連載を持つことができているのは、姫乃さんが”もの書くアイドル”の道を拓いてくださったからと言って過言ではないと思っています。
毎日のようにオーディションを受けていた時、いつか自分がアイドルになれたら……と思い描いた夢の中に、
「姫乃たまさんに自分の生誕ライブに出演してもらう」
という項目がたしかにありました。
そしてその夢は2019年5月26日に、姫乃さんの地元・下北沢で遂げられました。
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ずっと憧れていた方にライブに出演していただけた、それだけでもう十分幸せだったのですが、ファンの方の計らいで姫乃さんからお手紙をいただきました。
そこには、姫乃さんから見た私の姿と、姫乃さん自身がどういう気持ちでどこに立っていたのか、そして私の誕生日を祝うメッセージが綴られていました。
姫乃さんは手紙の中で、アイドルでありながらもアイドルとしてのゴールに向かうコースから外れて、そこからみんなを見て文章を書いていた時を「面白くて孤独な時間」だったと表現されました。
これだけアイドルがいてなお、姫乃さんが孤独であったということに少し驚きましたが、長きにわたってあの冷静な目線を維持できたわけに納得もしました。
私がずっと姫乃さんとお話ししたかったのと同じように、姫乃さんも「誰かと話したかった」と思っていたということがわかって、ここまで来てよかったとホッとしました。
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ブログ、コラム、レポート……今や様々な媒体でアイドルさんの書いた文章を読むことができます。
一口に文章と言ってもそれぞれの語り口や文量、興味のあることなど、ライブ中には知り得ない情報であふれていて、「言葉や文章が好きだから応援している」というファンの形もめずらしいものではありません。
歌やダンスと同じように、自己表現の一手段として「話すこと」「書くこと」が気軽に選択できることに喜びを覚えます。
アイドルだから書けること、アイドルだから書けないこと。まだ十分に検討されていない広大な領域にできる限り立ち寄っていきたい。
そんな野心を胸に、いつかアイドルではなくなる日まで、私はアイドルを続けながら文章を書き続けたいと思います。
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【キスエクライブ情報】
7/25(木)xoxo(Kiss&Hug) EXTREME 2nd ワンマンライブ 〜UNION〜
会場:渋谷WWW
開場18:00 開演19:00
前売¥3,500- 当日¥4,000-
キャラクターの違う2つのバンドによる、全曲生演奏!
紡がれる壮大な物語!!!
<プレイガイド(イープラス)>
https://eplus.jp/sf/detail/2936030001-P0030001
<チケット通販>
https://twelvenotes.thebase.in/items/18818364
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【プロフィール】
一色 萌(ひいろ もえ)
ニックネーム:萌ちゃん、萌氏、誕生日:5月27日、出身:東京都、血液型:A型、趣味:アイドル研究、特技、アイドルについて話すこと
WALLOP放送局「キスエクのギュッと!プログレッシヴ!」レギュラー出演中(2018.4〜)
調布FM「キスエクのラジオ、キク!?」毎週月曜日19:00〜 レギュラー出演中
<一色公式Twitter> https://twitter.com/hiiro_moe
<公式Twitter> https://twitter.com/xoxo_extreme
<公式YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UCA7fn3DZFJGDmlxZZg8WQVA
<取材・オファー等> Email : contact@twelve-notes.com
【グループプロフィール】
xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キス・アンド・ハグ・エクストリーム 通称:キスエク)
楠 芽瑠・一色 萌・小嶋 りんの3名からなる、プログレッシヴロック(略:プログレ)の楽曲を中心にパフォーマンスしているアイドル。プログレとは、曲調がよく変わる・曲が長い・変拍子…等が特徴の楽曲です。
2017年に、発売したシングル「えれFunと”女子”TALK〜笑う夜には象来る〜」に対して(キング・クリムゾン「エレファント・トーク」オマージュ)元キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリューがその動画に「I like it!」とコメントで絶賛。
ライブ活動の他、ディスクユニオン新宿プログレ館で一日店員を務めたり、プログレファンの聖地である吉祥寺シルバーエレファントに、アイドルとして初出演。
2018年にフランスを代表するプログレバンドMAGMA公認カヴァー曲の「The Last Seven Minutes」を初披露。その動画がyoutubeにアップされると、カヴァーを公認したMAGMAが、公式Facebookで紹介したこともあり、一日で2000以上の再生数を得て話題になる。
同年2月4日に記念すべき初のワンマンライヴを鹿鳴館にて開催。プログレッシヴロックを知っている人も知らない人も楽しめるLIVEと評判。