今さらながらの紙脱却! 話題の電子書籍リーダー『Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル』を試してみた!

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マンガを含めた読書好きなら、気にせずにはいられないのが「Kindle」。今回紹介する『Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル』は電子マンガ書籍の保存のために容量を拡大、ページめくり速度を改善したモデルだ。もちろん通常の小説なども読める。それではどの程度使えるのか、最近すっかり電子書籍づいてしまっている記者が検証する。

画面は文庫本よりも若干小さいが強力にシャープな文字表示の電子ペーパーの読みやすさはクセになる!?

アマゾンジャパン『Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル』(ブラック・169 x 117 x 9.1 mm/205g・価格 税込18,280円※Amazonプライム会員は4,000円引・発売中)は、非常にコンパクト。画面サイズが文庫本サイズで、ちょっとしたミステリーの単行本程度の重量。

充電はUSBケーブルで。一度の満充電で1日30分使用で数週間持つというバッテリーはノートPCやタブレットでは考えられないスタミナだ。

手に持った感覚だと、バランスがいいのか、そんなに重くは感じない。小型タブレットのように見えるが、使うと根本的に違うことがわかる。これは読書のための端末。簡易ブラウザなども入っているが、あくまで脇役。モノクロ読書が基本のマンガや、文字主体の小説作品などを読むのに適している。


起動は下部電源ボタンの長押しで起動。完全に起動するまで1分程度。ライブラリには取説が入っているのも親切。

画面表示はモノクロ。電子ペーパーなので、とても美しい。電子ペーパーの原理はボードゲームの「オセロ」のようなもので、それが信号によってひっくり返って書き換わる仕組みと考えればいい。黒か白かのその状態はそのまま目視できる状態になる。基本はひっくり返すときだけにしか電力が要らないので、通常のテレビや液晶ディスプレイのように常に書き換え続ける必要がなく低電力で済むというのが最大のメリット。

 

さらにこのモデルでも実現している300ppiという解像度は、市販されている商業書籍と同程度のクオリティー。印刷物と見間違えるほどのシャープさは、初めて見る人は驚くはず。近年主流のオフセット印刷というよりも、凸版印刷方式のようなシャープな品質は、紙よりもきれいと言っても過言ではない。

 

ただし、現在カラーの電子ペーパーはコスト的に実現が難しく、モノクロが基本。なので白黒主体の既存マンガや、小説などの読書に向く。階調表現はしてくれるものの、カラー主体の雑誌購読などには向かないので、念のため。

 

マンガはタップ長押しで高速ページめくりが可能だが、小説などの文字主体本には使えない!

画面はざらついた感触で指紋のつきにくいマットな質感。小説などは、文字サイズを調整して、文庫感覚で読むことができる。しかしこのモデルの主体となるマンガは、世に出ているマンガ文庫より少々小さいのに注意。画面サイズが文庫の版面(主に文字が印刷されている部分)と同じなので、マージン分表示が小さい。なので細かい書き込み文字を多用するタイプのマンガだと、時折ピンチアウトして拡大しながら読むことになる。


その場合、やはりワンテンポ実書籍よりも遅くなるので、ストレスを感じる。電子書籍の良いところには、自分でフォントサイズを調整できるというユニバーサルアクセス的持ち味があるが、ことマンガに限っては画像扱いなのでそれはできない。それなりの目の良さか、眼鏡使用が前提になる。

 

ページめくりは画面タッチで。マンガの画面遷移が遅いのが気になっていた人に朗報なのは、従来の33%増しにスピードアップした「快速ページターン」と、画面を長押しするとパラパラとめくれる「連続ページターン」がすごい。電子書籍の弱点が一つ減った感がある。ただこれ、普通の文字主体の書籍でやろうとすると、文字選択になってしまう。そのまま辞書などで調べたりマーカーをつけたりするのには便利だが、高速パラパラ・ページ送りはできないのだ。どうやら画像データなら可能、ということのようだ。

約700冊のマンガを持ち歩ける快感。リフレッシュのための画面白黒反転が気になるなら設定変更しよう!


記者が使用して、まず気になったのが、ページめくり時の白黒反転である。電子ペーパーの特性上、こうしたリフレッシュは必要不可欠なのだけれど、画面反転フラッシュはパソコン使用者にとっては警告の意味に捉えてしまいがちでびっくりしてしまい、どうにも落ち着かない。


ところが調べてみると、設定画面の「ページの更新」をオフにすることによって軽減することができた。それでも十数ページに一度は反転する仕様なのだが、それでもだいぶ違う。この特徴でKindleから遠ざかっていた人も多いと思うので、明記しておく。またこの『Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル』はバックライトを搭載しているので、暗いところでも読書可能。通常の液晶画面のように裏側から発光するのではなく、サイドから照らすから非常に目に優しい(ならサイドライトじゃないかというのは置いといて)。

 

それにしても32GBというのは、結構な容量。マンガなら約700冊。文字主体書籍なら数千冊がこの中に入ってしまう。まさに家中の本棚を担いで歩くことが可能になるのだ。これはうれしい。

 

対応しているのはKindle(AZW3)形式以外だと、TXT、PDF及び保護されていないMOBI、PRC。HTML、DOC、DOCX、JPEG、GIF、PNG、BMPは変換して対応する。ただすでに電子書籍のヘヴィユーザーである場合、これが引っかかるところかもしれない。

 

というのも基本的にAmazon以外で販売されている電子書籍は著作権保護のために専用リーダー・アプリでしか読めない場合が大半なので、それらで購入したマンガ・書籍は『Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル』で読むことはできない。なのですでに電子書籍で購入したマンガコレクションがあっても、Amazon Kindleで購入したもの以外は読めない。新たに買い直すとなると出費が痛い。

まとめ:これから電子書籍ワールドに突入する人、Kindleを一冊の本として捉えられる人におすすめ!

とはいえ、このサイズ感で大量のマンガや本が入るという魅力は捨てがたい。それによくよく考えてみると、Kindleという数多くのマンガや一般書籍を収録した一冊のハードカバーの単行本を持ち歩いていると考えれば良いのではないか。何もかもを一つの端末に集約したくなるのがガジェット好きの傾向かもしれないが、用途によってこれまでのPCなども使い分けて読めばいいのである。


もちろん今まであまり電子書籍を利用していない人ならそうした問題は発生しない。最新ベストセラーからコミックまで、450万冊以上(うち和書は40万冊以上)の豊富な品揃えから、好きな書籍を購入してコレクションしていけばいい。

 

さらにコストパフォーマンスで言えば、年3,900円(月額325円相当)払っているAmazonプライム会員なら、さらに魅力的になる。購入価格自体が4,000円安くなる上、「Kindleオーナーライブラリー」にて毎月1冊無料で本が読めるからだ。さらに深みにハマりたいなら月額980円で対象書籍が読み放題になる定額読書サービス「Kindle Unlimited」に入ってもいい。和書だけでも10万冊以上の無料作品もあることを考えると、読書好きなら時間はいくらあっても足りなくなるはずだ。

本体カラーは他にホワイトがあり、スクリーンセーバーとライブラリ画面下部に広告表示がされるが2,000円安くなるキャンペーン情報つきモデル(価格 税込16,280円)もあり。読書中の画面に広告表示されるわけではないので、邪魔にはなりにくい。またAmazonプライム会員なら4,000円OFFになるキャンペーンも実施中(2017年3月現在)だ。

 

※掲載写真のコミック誌面は「弱虫ペダル」(渡辺航・作)です。©秋田書店

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