成功することへの意識が高すぎことは、精神衛生上のトラブルを引き起こす可能性があることが判明した。
米国カリフォルニア州立大学バークレー校の研究チームは、躁うつ病の診断を受けた27人を含めて103人を対象にして、参加者の名誉欲や金銭欲がどの程度であるのか、調査を行った。
その結果判明したのが、自分の成功の可能性について大きな期待を抱いている人ほど、躁病やうつ病にかかるリスクが高かったのだ。研究チームは、目標を高くすることでゴールを達成することができる一方、副作用としての躁鬱病を伴う危険性があると指摘。
日本でもベストセラー本の大部分には、成功のための自己啓発本がならんでいるのが現状。多くの人々が、成功することへの強迫観念を抱かざるを得ない時代だとも言える。
そしてそういった多くの自己啓発本や、ビジネスリーダーたちは“成功するためには大きなゴールを設定すること”を謳っているわけだ。そういった技法や、成功とゴールを煽られる時代の裏には、心のトラブルも潜んでいるのだ。
文/関本尚子