久住昌之も絶賛「怒りのグルメ」がヤバい クレーマー系グルメ漫画は「極道めし」作者の新作!!!

土山しげる『怒りのグルメ』(コアマガジン)

『孤独のグルメ』原作者でおなじみの久住昌之も大絶賛する、土山しげるのコミック『怒りのグルメ』(コアマガジン刊 6月22日発売)。激怒系グルメ漫画という衝撃的な内容が、ネットで大きな話題になっている。

■65歳の人気漫画家の、ブチ切れ系グルメ漫画

土山しげるといえば、久住とのタッグ作『野武士のグルメ』(幻冬舎)や、刑務所の食を描いた『極道めし』で知られるグルメ漫画界の第一人者。今年65歳にもかかわらず、グルメ漫画だけで連載を月間5本かかえている。

土山作品は「読んでるだけで食べたくなる」しっとりとしずる感あふれ食描写に定評あるが、今回の『怒りのグルメ』は、それどころの騒ぎじゃない。ふだんさえないサラリーマンの主人公が、食を冒涜する者に出会うと、「噴飯男」(フンパンマン)なる怪人に変身。奇想天外な力で連中に裁きを下すのだ!

主人公の、初期の決めゼリフは「マズイ物はマズイっ」。©土山しげる/コアマガジン

■主人公のクレーマーぶりがヤバイ!

とはいえ主人公の「噴飯男」(フンパンマン)は、けっして正義のヒーローではないのも衝撃的なのだ。腕組み系つけ麺店や精力系どんぶりチェーンに入った主人公、「マズイものはマズイ」と言いはなち、店主やオーナーに裁きをくだす。そして一度支払った料金まで、「◯◯◯円返してもらうぜ」と言ってとりあげる、ダークヒーローなのだ(無銭飲食の容疑!)。この主人公、モンスタークレーマーすぎる!

久住昌之氏が推薦文で「あの土山先生がマジで怒った(笑)針振り切ってるグルメ漫画!!」と言うのもうなずける。食の情緒や人情を描いていた土山氏が、昨今の食マンガブームやグルメシーンにブチ切れた、そんな感じの内容だ。表紙ではラーメン二郎っぽいものを食べているのも要チェック!

ラーメン修行にきたアメリカ人の双子がこらしめられる様子。

成人式の紅白まんじゅう業者、マズすぎるまんじゅうに噴飯男の怒りを買う。©土山しげる/コアマガジン

味が薄いことにイラッとされて、有機農法レストランのオーナーもこんな目に。©土山しげる/コアマガジン

なんという理不尽さ!

■主人公はアンパンマンならぬ「噴飯男」(フンパンマン)

アンパンマンは愛と勇気が友達だったが、『怒りのグルメ』の「噴飯男」(フンパンマン)は、怒りと食だけが友達! 散歩番組系の大御所タレント、高級有名すし屋、テレビばかりのタレントシェフなど、みんながちょっと「イラッ」としている食業界の面々が、とんでもない「地獄」に突き落とされてるこの作品、大きな話題になりそう。グルメ漫画シーンもついに『マッドマックス』な世界に突入か…。

文/高野景子

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