「がんばったアピール料理」のウザさは異常 「3日間頑張って煮込んだモツ煮」など…街に氾濫

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「漁師さんが頑張った」なら、まだ失礼感が減るのだが。
「漁師さんが頑張った」なら、まだ失礼感が減るのだが。

千葉で漁業についている知人と、某ファミリーレストランに入ったところ「漁師が頑張ったサラダ」というメニューを発見。

知人は「なんだこの上から目線の『頑張った』は! 貴族が『使用人が頑張ってつくったサラダです』と言うような感じで、腹が立つ」と激怒。みなさん、このメニュー名は失礼だと思いますか?

■物語アピール系メニューの

たしかに最近では「物語アピール系メニュー」というべきネーミングの料理が氾濫しているし、当然ウザい。料理にかぎらず、物語をネーミングに入れるのは様々なジャンルで定着しているのはご存知の通り(それを真っ先に、かつ一番上手く使っているのはAVのタイトルだと思われる)。

「太陽あびて笑顔のように輝く野菜盛り」「3日間がんばって煮込んだモツ煮」「田中さんが丹精したホウレンソウ」みたいな。

■料理名にストーリーとかいらない!

ざっくり言えば、「物語アピール系メニュー」は素材そのもの、作り手、食べ手のどれかに属する。先の「太陽あびて〜野菜」は素材、「3日間〜モツ煮」は作り手。食べ手系のはメニュー名というより、店が料理を紹介する時に「がんばった貴女へのごほうびに」なんてのが多い。

なんにせストーリーなどいらん!というのが多くの人の印象だろう。

■「7日間頑張って煮込んだ」とかウザすぎ!?

作り手物語アピール系のメニューの「俺、頑張りました」「これだけやりました」感は、特に微妙だ。

会社でも「やりました」アピールの多い人が嫌われるのと一緒だろう。『鉄鍋のジャン』あたりのグルメ漫画なら「努力したかなんて関係ねえ、できた料理の味がすべてだ!」と言いそう。

ストーリー性をもたせることで、興味をひいたり美味しそうに見えたりもするけど、やり過ぎはウザいのは間違いない。

■「漁師さん」にしておけば…

はじめの「漁師が頑張ったサラダ」は、素材、作り手、食べ手からはズレる物語系メニュー名。素材と作り手の間ぐらいか。

たしかに漁業組合がやっている食堂とかだったら、いい感じかもしれないが、ファミレスという中間業者が入ると距離感が出て、失礼感が出るのだろう。「漁師さんが頑張ったサラダ」だったらずいぶん柔らかく感じるのだが。

豆には「お」がついとる!
豆には「お」がついとる!

ちなみに漁師の知人は、「上に『お豆のサラダ』とか豆にまで『お』をつけてるのに、なんで漁師は呼び捨てなんだ!」と、さらに怒っていた次第。…なるほど、たしかに失礼かも!

文/田辺響一