お寺で放送禁止用語よく使う理由 外国人が仏教現場にびっくり!

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※、まんなかの文字をよーく見てください! ふ、ふあっく!?
※、まんなかの文字をよーく見てください! ふ、ふあっく!?

■お坊さんがアメリカ人に突然、放送禁止用語を!

「日本のお寺に観光で訪れた時、お坊さんに笑顔で『ふあっくデスヨ』と言われて、マジでびっくりしました!」と教えてくれたのは、筆者の知人のアメリカ人男性。

ご存知の通り、「ファ○ク」といえば英語では性的な行為を意味し、人を罵ったりするときに使う言葉だ。笑顔であろうと、初対面の人にそんなことを言えば、撃ち殺されてもおかしくはないぐらい、危険な言葉だ。

■仏教用語にも存在した「ふあっく」

だが、よくよく聞くと、このお坊さんは彼にケンカを売っているわけではないの。むしろ、仏教には同じ響きでとってもいい言葉が存在する。

漢字で書くと「不悪口」で、読みが「ふあっく」なのだ。これは「乱暴な言葉を使ってはいけない」「優しい言葉を使いましょう」というもの。

江戸時代後期のえらいお坊さん、慈雲尊者が広めた「十善戒」のなかにある言葉なのだ。人がなすべきことを10にまとめたもので、どれも納得のものばかり。

たとえば、「不両舌」(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。「不慳貪」(ふけんどん) 異常な欲を持たない。「不瞋恚_(ふしんに) 異常な怒りを持たない、など。

■日常づかいもできる良い言葉

慈雲尊者は真言宗のお坊さんだったので、そのあたりのお寺に行くと、この「ふあっく」などが紙に書いて貼られていることがあるのだ。

先ほどのアメリカ人の友人も、最近の若い人の心の乱れについて、ちょっと口汚く言った時に、お坊さんから「ふあっく」、つまり優しい言葉を使いましょうと言われたというわけ。

みなさんも、周囲の人がキツイ言葉を使っていたら、すかさずそこで「ふあっく!」ですよ。あ、でも海外でうかつに言うと、もちろん危険ですのでご注意を。

文/関本尚子