もうすぐクリスマスシーズンがはじまるが、ふところ寒い庶民にとっては、ケーキも食べられない聖夜になる可能性が出てきた。なぜならバター不足が続いており、さらなる価格上昇が見込まれるからだ。
■ケーキは数百円もあがる?
「大手洋菓子チェーン店でも、例年よりホールのケーキで数百円価格をあげることを視野に入れているところが多い。値上げしないとしたら、サイズを小さくしてまかなうだろう」(製菓業界関係者)
株価は上昇していても、庶民の暮らしは依然として辛い状態が続いているだけに、これは痛い。今年5月に農水省がバター7000トンの輸入を決めているが、焼け石に水。
いまでもスーパーマーケットに行くと、「お一人様ひとつかぎり」といった張り紙が目につく。
■貧乏だとケーキを食べられない時代に
農水省の予測によれば、2019年には07年から実質価格が約47%増加するとみられている。そうすれば毎年毎年ケーキの値段は上がっていくだろう。
「それでも、ファミリーならばこの日ぐらいはという気持ちで、多少高くなっていても買うでしょうが、学生などの貧乏なカップルには厳しいかもしれない。ケーキではなく、アイスやどら焼きにローソクたてて祝うというのが現実になるかも」(前出・関係者)
クリスマスをケーキで祝いたくても祝えない人たちが出るかもしれない。
一方、ケーキで聖夜を祝うようなリア充ザマア、と言いたい人もいるだろうが、ちょっとまってほしい。バターはそれ以外にもクッキーなどの洋菓子や料理にも多く使われている。それだけに、けっして人ごとではないのだ。
文/鷹村優