定期的に話題になってきたのだが、またしてもジャンクフードに課税する国が出てきそうだ。5日、AFP通信によれば、南米のエクアドル政府が、肥満を誘発するジャンクフード/高カロリー低栄養食に、特別税を課す法案を推進中だという。
実際どのような店の商品が対象になるかは明らかになっていないのだが、ラファエル·コレア大統領によれば「ジャンクフード特別税は、世界的なファーストフードのチェーン店を狙った」というから、大方察しはつくだろう。
「グローバル・ジャンクフード・チェーンは世界を越境し、人々の健康に悪影響を与えている」(政府関係者)という指摘はもっともで、今回は企業側の責任を問う意図を含む。だが、エクアドルの飲食業界から自分のところは大丈夫なのかと不安の声もあがっている。
面白いのは、この特別税の使い途。不健康な食品による税収は、国民の健康を増進することに使うといい、具体的な計画はまだ未定だ。
しかし、なぜエクアドルなのか。同国保健省の統計によれば、エクアドルの大人の3分の2と子供の3分の1が肥満となっており、ジャンクフードによる肥満は国民病となっているのだ。昨年メキシコ議会も、ジャンクフードと炭酸飲料に税金を賦課する租税改革法案を通過させており、今後世界的にこの流れは加速しそうだ。
今年の5月に、国連の食料問題担当官もジャンクフードを代表とする不健康な食事は、たばこよりも健康へのリスクが高いため、課税などの規制を急ぐべきだと提言している。他にも飽和脂肪や塩・砂糖の使用料の多い食品の規制や、ジャンクフード広告の取り締まりが提言されている。
とはいえ「ジャンクフードは貧乏人の数少ない娯楽の一つ」なんて意見もネット上にはあり、これはこれでよくわかるのだが…。
文/編集部