佐世保首切り少女らサイコパスは身近に多い 25人に1人の確率とも

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※画像は『良心をもたない人たち』 (草思社文庫)。サイコパスの入門書としてわかりやすい。
※画像は『良心をもたない人たち』 (草思社文庫)。サイコパスの入門書としてわかりやすい。
佐世保少女A子の異常性

佐世保の首切り少女事件は、あなたのそばでも起こる可能性がある? 長崎県佐世保北高校1年、松尾愛和さん(15)が同級生A子(16)に殺害された事件では、A子の反社会性人格障害、いわゆる「サイコパス」ではないかと注目を集めているが、そういった人間はどれぐらいの確率でいるのだろうか。

サイコパスは25人に1人

マーサ・スタウト著『良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖』(草思社)によれば、表題のとおり、アメリカでは4%、25人に1人がそうだとされている。一方で東アジア圏では割合が低く、サイコパスの人間は0.1%前後だという。なんにせよ、思ったよりも多い印象だ。

サイコパスとは良心がない人間

そもそもサイコパスとなんであるのか。同書によれば「頭で善と悪のちがいはわかっても、ふつうの人びとのように感情が警鐘を鳴らし、赤信号をつけ、神を恐れることがない。罪悪感や良心の呵責がまったくない」ということだ。これに照らし合わせれば、佐世保の事件のA子にもそういう要素を見出すことは可能である。

さらにその特徴をあげるなら、犯罪心理学者のロバート・D・ヘアによれば、良心の異常な欠如、他者に対する冷淡さや共感のなさ、慢性的に平然と嘘をつく、行動に対する責任が全く取れない、罪悪感が全く無い、過大な自尊心で自己中心的、口の達者さと表面的な魅力、等がある。

「勝ち組」にはサイコパスが多い?

だが、こういった人はたしかに世の中にいるわけだ。つまり、サイコパスがみな殺人事件などを起こしているわけではない、というのも事実なのである。

たとえば、英ケンブリッジ大学の研究員で心理学者のケヴィン・ダットン氏の著書「The Wisdom of Psychopaths」によれば、「サイコパスが就きやすい職業トップ10」として、会社社長、弁護士、テレビ・ラジオマン、販売員、外科医、新聞記者、警察官、聖職者、シェフ、公務員となっている。世の中では「勝ち組」と言われる職業が目立つことに気づくだろう。またこの佐世保報道をしている側にも、サイコパス側の人間も多いわけで…。

サイコパス対策は「関わらない」?

実際サイコパスの人がいかに社会で成功している人であろう、そうでない人が接した場合には、彼らの支配欲や攻撃性の犠牲になることも当然ある。前出のマーサ・スタウトによれば、サイコパスに対しては「そういう人もいる」と受けれいること、手伝いをしないこと、自分の心を守るよう注意するべきだと指摘している。

とはいえ、サイコパスかそうでないかは専門医や研究者による厳密な診断が必要なので、身近な誰かを勝手にサイコパス扱いするのは危険であることも覚えておいて欲しい。

文/鷹村優