夏休みともなれば一度や二度は怪談をする機会もあるかもしれない。そんな時についモノマネをされるのが稲川淳二さんだが、ファンからすればツボを外していることもしばしば。なので淳二ファンをもうならせるモノマネのポイントはこちら。
●「怖いな〜」の連続はちょっと違う
「怖いな〜怖いな〜」とやるのは間違い。実際には「怖いな〜怖いな〜…なんか嫌だなあ〜」や「怖いな〜…不気味だなあ〜」など、実際の稲川さんは複数のフレーズを使いわけている。
●扉を開ける音「に゛ぃ」で差をつけろ
稲川話芸の骨頂は不気味かつ豊かな擬音にある。板の間を歩く音ならふつうは「ぎぃ」だが、稲川さんは「に」に濁音をつけたような、「ぎぃ」と「にぃ」の中間音「に゛ぃ」と表現。また扉を開ける音なども同様だ。これを抑えていれば「かなりわかっている」感じがするぞ。
●キラーフレーズ「…この世のものじゃない」
我々淳二ファンからすればキラーフレーズは「怖いな〜」ではなく「…この世のものじゃない」! 霊を見たときにはかならずこのフレーズを使うべき。「見た瞬間に思ったんですよ、そのおじいさん、…この世のものじゃないんだな、って」という具合だ。
●客席へのお手振りをしっかりと
怪談のDVDなどではわからないのだが、稲川淳二さんはトークショーでのサービス精神はたいそうなもの。舞台に立つ時と帰る時には、しっかりとファンへのお手振りをしてくれる、笑顔で手前、奥へとしっかり手を振ろう。
●淳二マニアをうならせる「怪談爺ぃの唄」!
稲川淳二さんのテーマ曲が存在することをご存知だろうか、耳にめちゃくちゃ残るヴイブスあふれる作品「怪談爺ぃの唄」だ(歌は樋口舞さんで、作曲は頭脳警察のPANTAさん!)。またカップリングソングの「赤い半纏の唄」、この二曲を口ずさめれば、かなりの淳二ファン! ぜんぜんモノマネではないのだが、通だと思われること請け合いだ。
そしてなによりも重要なのは、ただ怖い話をしようとするのではなく、話にひめられた人間の悲しさや情念などをふまえて語ること。稲川さんのそんな人間への深い洞察と優しさが、極上の怪談がたりを作り上げているのだ。
芸能界には悪口を言う人が一人もいないというほどの人格者、それだけはなかなかマネできないんですよね〜(これも淳二調)。
※ちなみに「怪談爺ぃの唄」はマジでおすすめです!
文/関本尚子