グルメ格付けサイト「食べログ」には当然ながら数値で評価がつくわけで、高いところもあれば低いところもある。筆者が調べた限りでは東京ではもっとも低いスコアクラスのラーメン店が、今年3月後半に閉店した(どっこいどっこいのスコアの店がいくつかあるが、それは秘す)。
その店は渋谷にあった千代松というラーメン店だ。JRの高架下にあり遅くまで営業しているために便利で、筆者としては別にマズいとは思わないそこそこの店だったのだが。食べログで見てみると、そのスコアは2.68! 食べログで調べてもそうそう出てこない点数だ。
「つけ麺のスープがすっぱい」「麺がちょっと」「この味でこの値段じゃ」といった意見なども見受けられるが、筆者が食べた感想では「まあそんなにマズいとか悪く書くほどじゃない」ぐらいのところだった。むしろ夜中の2時ぐらいに酔っ払って入る時、妙に居心地の良い店だったのだが。
「とはいえネット上の評判はかなり影響しますからね。そういうサイトが悪いわけじゃなくて、むしろ店のダメージも考えずに無思慮に書き込む自称グルメな人たちが一番タチがわるい。口にあわなかったなら書かなきゃいい。店員にいやな思いをさせられた、とかでしたら別でしょうが。味は個人の嗜好によるものですから」(グルメ雑誌ライター)
実際にはネット上での風評被害によるものではなく、高架下の改装のために閉店したという話もある。インターネットでグルメの格付けをするということ、について深く考えさせられる店、という意味でも残念な閉店だ。
文/鷹村優