軍艦島の世界遺産登録は韓国に阻まれる? グレームにユネスコ側も苦慮

※画像は『軍艦島 超景』。
日本政府は今月15日、世界文化遺産登録に向け1月中に国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ提出する「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の推薦書を了承した。この中には軍艦島として知られる端島炭坑(長崎市)、八幡製鉄所(北九州市)などが含まれているのだが、なぜか近隣諸国から、軍艦島を選定したことに関して反対意見があがっている。

不快感を示しているのは、韓国だ。なぜならば、かつて軍艦島では徴用された韓国人たち約500名(1945年当時の軍艦島の人口は5300人程度)が働かせられていたためだ。

昨年にはユネスコに対して韓国代表団が「世界文化遺産として適切ではない」という意図を伝えており、韓国メディア・東亜日報はユネスコ事務局長に対して「強制労働の行われた軍艦島が推薦されたこと」についてインタビューを行なっている。

その中でイリーナ・ボコバ ユネスコ事務局長(62)は「ユネスコ世界文化遺産指定は、関係国間の分裂と対立を助長するよりも、相手に平和と和解のメッセージを発信するものです」と答えている。ユネスコサイドがこうした政治的な要素を含む発言をするのは異例中の異例。

それだけに日本の政府関係者の間では「軍艦島を入れたのはミスだったのでは」という声もあるという。実際韓国サイドが強い不快感を示したことは、ユネスコサイドの判断にも大きく影響すると見られている。

文/鷹村優

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