はだしのゲンから学んだことは? 30代男性53人が語る名作の思い出

※画像は『はだしのゲン 第4巻 まっすぐ伸びよ青い麦の巻』。
作者の中沢啓治先生(2012年12月19日死去)が実体験をもとに描いた漫画『はだしのゲン』。今年8月には松江市教委が市内の小中学校に閲覧制限を求めるも抗議を受けて撤回、その騒動から『正論』が「『はだしのゲン』許すまじ!」と題した特集を組むなど、なにかと話題になってきた。現在『ゲン』はイデオロギーの観点から語られる作品になっている。

そこで筆者は30代の男性53人に「はだしのゲンの印象的なエピソードは」という調査を行なった。別に否定も肯定もするものではなく、一つのエンターテイメント作品として、子供時代にどんな印象をもって読んだのか調べるためだ。自由筆記で書いてもらい、目立ったものをピックアップしてみたぞ。

「米兵のジープのガソリン入れるところに、角砂糖入れて壊すところが印象的だった。家の車にやろうとして父親に殴られた」(31歳 銀行員)
「犬を食べると美味いという話がこわかった。犬を石でなぐるところがかわいそうだった」(32歳 公務員)
「ヒロポン(覚醒剤)の存在を初めて知った。絶対それだけは手を出すまいと思いました」(37歳 医師)
「気が狂ったふりをして逃げるというテクが印象的」(31歳 アルバイト)
「パンパンという言葉が印象的だった」(34歳 大学院生)
「広島の人は殴られると『ギギギ』という方言を言うと勘違いした」(31歳 会社員)
「放射能の影響で毛がぬけるのが怖かった」(37歳 飲食店)
「米兵にゴボウを食べさせて、後で木の根を食べさせたと言いがかりを付けられる話が怖かった」(33歳 ライター)
「男の人がガイコツに怨と書いて、米兵に売りつけるのが怖かった」(32歳 会社員)
「ピカの毒が〜と言われて家族に見放される男の人がかわいそうだった」(38歳 調理師)

当然ながら“はだしのゲンあるある”とでも言うべき結果に…しかしどれも懐かしいエピソードばかり。個人的にはゲンが下駄を手に持ってケンカするところや、足を開いて拳銃を打つというところが印象的。

戦争云々ということ以外にも、我々に様々な思い出とトラウマと知識を与えてくれる、エキサイティングな作品だったのだけは間違いないかと。

文/原田大

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