トラストバンクの「LoGoチャット」が自治体に期待される大きな理由 災害時支援と経費削減に効果大


自治体専用ビジネスチャットツール「LoGo(ロゴ)チャット」ににわかに注目が集まっている。このツールはふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で知られるトラストバンクが提供するもので、同社は2019年度末まで1年間の無料トライアルを実施していることもあり、すでに10月31日時点で36自治体が同ツールを導入しているという。

ビジネスチャットツールとしては後発のイメージだが、なぜ注目が集まっているのか。それは自治体特有の問題を解決するからだ。

LoGoチャットが注目される使い易さ

自治体は「総合行政ネットワーク(LGWAN)」という独自のネットワークシステムを利用している。これは2015年に総務省が決定したもので、LGWANとインターネットを分離することにより、自治体における機密情報や個人情報を守るためのもの。2017年度までにほぼ全ての自治体がネットワークの分離を完了し、現在では、安全性の高い環境が構築されたことは間違いない。

ただし安全性が高くなった一方で、インターネットで利用していたツールが使いづらく、自治体の動きを悪くさせてしまった側面もある。実際多くの自治体でのコミュニケーションはメール、電話、メモ、書類の回覧など、アナログ方式が主。結果、時間やそれにより発生する人件費が負担となっていたという。また、今年の日本は多くの災害に襲われたが、そんな中でも柔軟かつ迅速に使えるツールが求められていた。

トラストバンクのLoGoチャットは、LGWANに加えてインターネット上でも利用できるため、外出先や出張先からでもやりとりが可能だ。そうすることで、災害現場にいる職員と、災害対策本部の職員がスピーディーにコミュニケーションを行うといったことが可能になる。トラストバンクによれば、これまでにインターネットとLGWANの両者で使うことができるクラウド型ビジネスチャットツールは前例がなく、同ツールが国内初だとのこと。

またLoGoチャットの特徴としては、ネットワーク環境「LGWAN-ASP」上でアプリケーションを構築しているため、他のLoGoチャットを導入している自治体ともやりとりすることが可能だ。これにより外部自治体との円滑なコミュニケーションができるようになり、職員たちの電話応対に関する業務を削減することができると見られている。

また他のビジネスチャットツールと同様に、LoGoチャットでも、メッセージの送受信や資料の共有ができたり、会議日程の調整を行うことなどに使える、トークルーム内にアンケートを作成する「アクションスタンプ」といった機能がある。

こうした便利な機能の結果、チャットツールの効果を検証したところ(LoGoチャットの開発ベースとなった民間企業向けのチャットツールでは)、1人当たり1日約27分、年間約150時間が削減。LoGoチャットを導入した自治体でも同様の効果が出ると見られており、年々職員数が減少している自治体にとっては有用だろう。


logoチャットの画面

年間約2億6400万円の削減効果のある自治体も

11月1日にトラストバンクが行ったLoGoチャットの説明会では、導入している自治体職員たちが登壇し、現場からの感想を語った。特に興味深かったのが、埼玉県深谷市企画財政部ICT推進室の齋藤理栄氏によるものだ。

斎藤氏らは、最近注目されているRPA(ロボティックプロセスオートメーション)と、チャットツールの時間的な削減効果を試算。チャットツールはRPAよりも年間約6万6000時間の削減効果が高く、約2億6400万円の削減効果があると判明したという。

ただし、RPAも効果がないわけではなく、RPAも年間約800万円の削減効果が試算されており、今後はLoGoチャットとともに活用することを予定しているという。“人無し、金無し”な自治体にとってはこういったツールの助けの手となるだろう。

また、北海道北広島市総務部行政管理課の寺岡純氏によれば、同市はこれまでRPAや電子手続きにおいては実証実験は行ってきたものの、コミュニケーションツールの導入は後回しとなっていた。だがLoGoチャットの導入では円滑かつ迅速なコミュニケーションによる、効果を実感しているという。

こういったコスト削減以外にも、登壇した職員たちはいずれも災害時に活用できるのではないかと、その可能性について大きな期待を寄せていた。