ビジネスマンに童貞本が人気で品薄に 58歳・女性未経験のデザイナー山口明氏の一冊がブームに

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出版業界の伝説のデザイナー

いま最先端のビジネスマンがこぞって購入している啓発書がなぜか、58歳で女性経験なしという、デザイナーの半生に迫った一冊だとして話題になっている。

新宿東口の大型書店では入荷するなり即完売、また渋谷の某大型書店でも軒並み品薄が続いているというのがフリーデザイナー山口明氏(58歳)を描いた『ワイルドチェリーライフ』(市川力夫著、出版ワークス)。しかも書店サイドによれば、この“とんでも本”が売れているのは高収入サラリーマン層だという。

山口明氏といえば漫画業界の人気デザイナーの一人で、これまでに手がけた単行本の作家を見ると、水木しげる、雁屋哲、いがらしみきお、畑中純、楳図かずお、土山しげる、ジョージ秋山、新井英樹、横山光輝、弘兼憲史…など錚々たる面々。

またそんな有名デザイナーとして知られている一方、58歳のこれまで女性経験が一切無い、スマホもパソコンも持たないなどの異色なプロフィールでも伝説と化しているという。

ただ、それゆえか独自のアイデアを生み出すために、多くの出版人が新たな売れる企画や意見を求め、山口氏の門をたたくというほど。同書の中でも語られているが「コンビニ廉価版コミック ※」の生みの親である。(※ コンビニでワンコインで購入できる人気作品の再収録ものなどのこと)

ビジネス書担当書店員も推薦

同書は山口氏の半生をインタビュー形式で振り返ったもので、「(時代に乗ろうとするのは)逆に失敗するよ。たいていの人が時代のスピードについていけないんだから」「変わらない過激さ」「モノ作って評価されてるうちはダメだよ。存在するだけで表現」などの山口節が並ぶ。

これに関して渋谷大型書店のスタッフによれば「とんでも本に見えますが、中身はこの時代をサバイバルするための至言にあふれています。童貞、ピュアリティからの社会分析や提言が本当に凄い。著者の自己顕示欲まるだしの薄いビジネス書や、他人の弱みにつけこんだ自己啓発本とは比べ物になりません。そんな深い内容のため密かな売れ筋です」(ビジネス書籍担当者のため匿名)という。

実際多くの出版社に一介のフリーデザイナーながら、デザイン力とアイデアで大きな貢献をしてきた山口明氏。その内容は多くのビジネスマンにとっても参考になるだろう。

現在品薄が続き予約注文も多いというこの『ワイルドチェリーライフ』、ちなみに購入していくのはイケている男性会社員が多く、先の書店員によれば「買う人はみなさん、童貞には見えません(笑)」とのこと。

一度失ったら二度と取り戻せない童貞による考察は、希少性からして価値が高い。目端がきく人々が殺到して手にとるこの奇書、さらに大きな話題になりそうだ。

『ワイルドチェリーライフ』詳細