ブラックバイト学生ねらう学生ローン 大学生の借金地獄のホラーな入口か

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学生生活もお金が必要。
学生生活もお金が必要。

昨年から話題になっているブラックバイト。低賃金で扱いも最悪だが、過度なノルマを押しつけて、休みづらい、辞めづらい、賃金の請求はしづらいというものだ。

学費や生活費を稼ぐためにブラックバイトに入り、過酷なバイトのために学業ができなくなるという、本末転倒な事例が多数おきている。

■学生ローン利用する若者が増えている?

だが、ブラックバイト以外にも学生をまちうける罠が、学生ローンだ。いや、決して学生ローンが悪いというわけではないのだが、当座の生活費や学費をまかなうために足を運ぶ学生は多いという。

大学のおひざもとの繁華街でちょくちょく目にする学生ローンとは、一体なんなのか。

一般的には、高校生を除く満18歳以上の学生(大学生・短期大学生・専門学校生など)に限って利用が出来る消費者金融を指す。だが実際には、社会人へのローンを扱っているところが多い。

かつては収入のない学生でも利用することができたのだが、2010年6月18日に施行された改正貸金業法により、現在では収入のある学生のみとなっている。

■学生ローンの融資利率は社会人と同じ場合も

で、学生でも借りられるというのは、ローンが組みにくい学生にとっては大きなメリットだが、それ以外に得することはあるのか、いや実際にはほとんどない。

融資利率が社会人向けのものより低いと喧伝しているところもあるが、ほとんどのところでは社会人のそれと変わらない。収入が不安定な学生にとっては、利率が社会人と変わらないのであれば、それが大きなツケとなって返ってくる危険性は高い。

■悪徳商法と学生ローンが組んでる場合も

「マルチ商法やデート商法などは、いまだに学生を喰い物にしており、彼らが学生ローンをうまく利用している。『学生ローンは安心だから、それで借りちゃいないよ』などと甘言で巧みに誘う事例があります」(都内私立大学の学生課職員)

なんとなく学生に優しそうだからいいかな…と、学生ローンから借金地獄に陥るのは、そういった悪質商法やブラックバイトに巻きこまれた学生たちも目立つという。

90年代には10万円代だった学生への仕送り額は、現在では約7万円となっている。社会人も苦しいが、その余波を学生もうけている。学生時代はけっして楽しい青春時代、と思えない世相になってきているのだろうか。

文/下田高雄