マクドナルドが一部店舗でこっそり発売している、イカスミバーガーを早速食べてみた。ポスターを見てみるとハロウィン仕様の限定メニューであることがわかる。ネット上では「マックさらに迷走」などと書かれているが、その味は…すごかった。
現在提供されているのは西武新宿駅、新宿大ガード西店、新宿南口店の3店舗。筆者が向かったのは西武新宿の店舗で、隣ではやはりイカスミバーガーを買った、ホスト風のニイサンたちが「くれぇぇぇ、くれぇぇぇっ!」と奇声をあげている。おそらく「黒い」と言っているのだろう。
ポテトMとドリンクMのついてくるセットの値段は670円と、そこそこ。それだけに期待はつのる。紙ケースをあけるとガーリック風の、インパクトのある香りがする。それにしても、すごいのは黒というよりは「ドスムラサキ」とでも言う、不思議な色だ。薄黒く、紫がかっている。
ハロウィンの仮装でいえばゾンビやフランケンシュタインを思わせる色合いで、たしかにハロウィン用のびっくりメニューとしては面白い! ハンバーガーを死体にしたような(フランケンだけに腐乱という冗談はいかんでしょう)キッチュなルックス。
バンズをもちあげてみると、公園にある石をもちあげて裏を見てみた時のような、どっきり感があってまた楽しい! パテのうえにとびちったフライドガーリックも、不思議なあんばいだ。
で、いよいよかじってみると、これはいい! ニンニクなのかフライドガーリックなのか、パンチのきいた風味の真っ黒ソースが、パテとチーズにベストマッチ。全体的に肉まんのような、ガッツリとした美味さがある。
「実はこのイカスミバーガー、生野菜を使っていないんですよ。黒バンズ、どす黒いパテ、イカスミソース、ドロっとした黄濁したチーズを使うことで、ハロウィンらしいカラーリングを実現している。味としても野菜が入らないことから、肉まんやシュウマイなどのような肉によったまとまりがある」(フードライター土佐源一氏)
9月19日より発売されているバーガーキングの「イカスミバーガー」のパクリとの声もあがっているが、これはまったくの別物。ハロウィンのモンスター感を再現しつつ、味も上等な“グロ美味い”感じなのだ。
ちなみに筆者がこのバーガーを食べていたら、白髪でワンピースをきておまけにはだしのおばあちゃんが「美味そうやな、それ」と一言いって、去っていたぞ。マクドナルド、やりますな…。
文/関本尚子