元祖萌え系だったアンナミラーズ
今でこそ萌系なメイドカフェも珍しくなくなったが、20年前ともなるとそんなものはなかったのだ。その頃にそんな萌えを一手に引き受けていたのが、ファミリーレストランのアンナミラーズ。だが、かつて栄華をほこった同チェーンも現在ではたったの1店舗となっている。
80年代から90年台にかけてアンナミラーズを業界の女王たらしめたのは、ミニスカートと、通称「乳袋」と呼ばれる胸のまわりが特殊デザインされた制服だ。
これがウケにウケ、かわいい女の子とセクシーな制服見たさに野郎どもが集まりまくった「伝説の地」であったのだ。値段は客単価1000円オーバーだったにもかかわらず、多くの男子(現在はオッサン)たちが鼻の下をのばしていた。
アンナミラーズ経営は有名肉まん屋
アンナミラーズを運営しているのは、肉まんなどで知られているあの井村屋。1973年に開店し、ペンシルバニアダッチと言われる家庭料理とアメリカンパイを提供するレストランとして展開。
ミニスカートと独特のデザインの制服が人気を集めたが、近年は店舗の閉鎖がしかし、そんなアンナミラーズも00年代から萌え文化の隆盛と、反比例するように衰退していった。00年代に入ってからはわずか3店舗となり、08年に赤坂店、12年に横浜ランドマークプラザ店が閉店し、現在は品川駅近くのウィング高輪店を残すのみとなっている。
「いまでも“乳袋”が強調された制服は健在ですし、品川駅に行った時はおすすめですね」(30年来のアンナミラーズファン)
店員はマニア受けのいい女性ばかり?
筆者も行ってみたのだが、たしかにふつうのファミリーレストランの制服にしてはだいぶ扇情的。そこまで若い女性店員さんは少ないものの、「マニア心をくすぐる妙齢の女性店員がかえってよい」(同)という声も。
では店内には鼻の下をのばした男性が多いのかとおもいきや、女性客が7割ぐらいの印象だ。実際料理も美味しいので、たしかに女性客が多いのはわかるかも。日本最古の萌えスポットにして最後のアンナミラーズ、この夏休みの行楽にいかがでしょうか。
文/関本尚子