SNSを見る時間が長い人ほど、デマを信じやすい」——こんな衝撃的な研究結果が、ミシガン州立大学から発表されました。
あなたは毎日どれくらいSNSを使っていますか?スマホが手放せない人も多い現代。しかし、その利用習慣が、知らず知らずのうちにあなたを「フェイクニュース」の罠に陥れているかもしれません。
その「ニュース」、本物?SNS利用とデマ信憑性の関係が明らかに
ミシガン州立大学の研究チームが学術誌「PLOS One」で発表したこの研究は、SNSと「フェイクニュース」の関連性を浮き彫りにしました。
実験では、参加者に本物のニュースとデマを混ぜた記事を、実際のSNS投稿そっくりに作成して見せました。その結果、SNSの利用時間が長い、いわゆる「問題のあるソーシャルメディア利用」の傾向がある人ほど、デマを真実だと信じやすく、さらに真偽にかかわらず、そうした投稿に「いいね」や「シェア」などの反応を示しやすいことが判明したのです。
研究を主導したダー・メッシ教授は、「SNSの投稿は写真やタイトル、短い説明文、そして情報源まで、本物そっくりに作られています。私たちは、参加者がそれをどれだけ信じるか、そしてシェアしたいかなどを尋ねました」と説明しています。
なぜ?「衝動性」がフェイクニュースに騙されるカギか
なぜSNSの利用時間が長いと、デマに騙されやすくなるのでしょうか?
メッシ教授は、今回の結果が「意思決定」に関する既存の研究と一致すると指摘します。過去の研究から、SNSの利用時間が長い人ほど、「リスキーな意思決定」や「衝動性」が高い傾向があることが分かっています。
教授は「問題のあるソーシャルメディア利用と、誤情報への感受性の関係を媒介しているのが、本当に『衝動性』なのかを今後さらに深く理解したい」と、研究の次のステップについて語っています。つまり、SNSの使いすぎによって高まる衝動性が、デマを信じやすくなる原因になっている可能性があるというのです。
「フェイクニュース」って、そもそも何?
「フェイクニュース」という言葉、よく耳にするけれど、具体的にどんなものを指すかご存知ですか?大きく分けて、次の2つに分類されます。
* 誤情報(Misinformation): 単なる間違いや勘違いから広がる、事実に反する情報。
* 偽情報(Disinformation): 誰かが意図的に、あなたを騙そうとして流す情報。
多くは政治的な意図を持って広められますが、中には「クリック数稼ぎ」でお金を儲けるために作られるケースも少なくありません。
あなたも狙われている!フェイクニュースから身を守る8つのワザ
世界経済フォーラムも「今日の最も大きな短期的な脅威の一つ」と警鐘を鳴らすフェイクニュース。私たちの社会の信頼を揺るがし、時には紛争や異常気象と同レベルの脅威とまで言われています。
では、私たちはどうすればフェイクニュースを見破り、自分自身を守ることができるのでしょうか?非営利団体Factcheck.orgが挙げている8つのチェックポイントをご紹介します。
1. 情報源を確認する: そのサイトは信頼できますか?連絡先は明記されていますか?
2. 見出しだけでなく本文も読む: 見出しだけで判断せず、記事全体を読んで文脈を把握しましょう。
3. 著者名をチェックする: 著者は実在の人物ですか?信頼できる経歴がありますか?
4. 裏付け情報を探す: 信頼できるニュースは、必ず情報源を明記しています。
5. 日付を確認する: 古い記事が、まるで最新の情報のように見せかけられていることもあります。
6. 風刺かどうか見極める: ジョークやパロディとして作られた記事もあります。
7. 自分の偏見をチェックする: 「こうであってほしい」という願望が、判断を曇らせていませんか?
8. 専門家やファクトチェックサイトに頼る: 迷ったら、プロの力を借りるのも手です。
SNSは便利なツールである一方で、使い方によっては危険な側面も持ち合わせています。この研究結果を参考に、今日からあなたのSNS利用について見直してみてはいかがでしょうか。