AIでやった宿題が低評価で、生徒の親が学校を提訴

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2024年8月、マサチューセッツ州ヒンガム高校で、ある生徒が歴史の課題を生成AIを使って提出しました。しかし、AIを使ったことが教師に知られた結果、その生徒には低評価が与えられ、さらに居残りの罰を受けることになりました。

この生徒の両親、デールとジェニファー・ハリスは、学校を相手に訴訟を起こし、学生ハンドブックにはAIの使用を明確に禁止する記載がなかったと主張しています。

ハリス家は訴状の中で、「(学校側は)私達の息子の未来と優秀な成績を脅かし、脅迫的な態度で威圧した」と述べました。この訴訟は州の上級裁判所に最初に提出され、その後連邦地方裁判所に移送されています。

一方、ヒンガム公立学校側は、学生ハンドブックには「許可されていない技術」の使用や「他の著者の言葉や考えを無断で使用、模倣し、自分のものとして提出すること」を禁じる規定があると反論しています。

今回の件に関して、AIを使った課題提出がどのように扱われるべきかについて議論が必要です。AIを使った盗作に対する罰則は、いまだに議論の決着がなされていません。また、AIを検出する技術も存在しますが、それ自体が不完全であり、その精度には限界があるのが現状です。どちらにせよ、この問題を解決するために、高額で時間のかかる訴訟を起こすよりは、ハリス君が未完成な課題を出した方が早いような気もしますが。

今回の件を通して、AI技術が教育の現場に及ぼす影響についての議論が一層求められるでしょう。教師が生徒の能力を公平に評価することは重要ですが、その一方で新しい技術の利用をどのように取り扱うべきか、教育界全体で合意を形成することが不可欠です。時代が進む中で、技術と教育のバランスをどのように保つかを考えることが、私たち全てに求められている喫緊の課題だと言えるでしょう。