草津は進化しつづける温泉の聖地 温泉ランキング18年連続日本一の知られざる魅力とは

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草津温泉といえば日本三名泉として知られており、観光地としての人気は衰え知らず。現地に足を運んでみると、街は活気にあふれており実に華やかだ。その魅力を探るべく現地に足を運んだ。

草津温泉の湧出量は毎分32,300リットルを誇り、自然湧出量日本一。また「泉質主義」をかかげており、pH2.0程度の酸性で万病に効く名湯として知られてきた。また温泉以外にも、歴史のある宿、食の名店なども軒を連ね、四季折々の自然を堪能できることから、多くの旅人を楽しませている。

そんな草津は現在、ライトアップや足湯、新しい入浴施設などもあり、また新しい話題の飲食店ができるなど、さらに進化を遂げているのだ。

共同湯や日帰り入浴施設は絶対入るべき

草津の街の中心にあり、シンボルとなるのが湯畑(ゆばたけ)だ。温泉の源泉を地表や木製の樋に掛け流し、湯温の調整を行い、温泉成分である湯の花の採取をするためのもの。硫黄が香り、煙が登る光景だけでも圧巻だが、特に凄いのは夜だ。

日が暮れるとライトアップが行われ、立ち上る湯気や湯桶が照らされて実に幻想的。これだけでも草津に来たかいがあるというものだろう。

また湯畑のそばにある「熱乃湯」では、草津温泉の名物、湯もみショーを見ることができる。湯もみとは、もともと熱いお湯を冷ますために板を入れて湯をかきまぜ、温度を下げるというもの。もむことでお湯をやわらかくすることにもなるという。

現在ではほぼ見られなくなった湯もみを、このショーで観ることができる。「草津節」と「草津湯もみ唄」が流れる中、女性の踊り子たちが湯もみを行う貴重な様子を観ることができる。

もしも宿のチェックインまで時間があるなら、湯畑のすぐそばにある日帰り入浴施設「御座之湯」や共同浴場「白旗乃湯」もおすすめだ。


「御座之湯」は6年前にオープンしたばかりの施設で、湯畑と万代の二つの源泉を楽しめる。浴衣、竹かご、下駄がセットになった外出用浴衣レンタルサービスがあり、草津の街を浴衣でぶらりと散歩することもできる。

「白旗乃湯」のは無料共同浴場で、観光客だけではなく地元の人も多く訪れる。源頼朝が建久四年(1193年)に発見したと伝えられる白旗源泉を引いており、草津の中でも名湯として誉れ高い。質素な拵えだが、天井が高く湯気の立ち込める風情は格別だ。

23時まで営業していて、レトロな建物の薄明かりの中で入ると、草津の歴史に浸かっているような気持ちにしてくれる。

ちなみに草津には、観光客が無料で利用できる共同浴場として、千代の湯、地蔵の湯があり、いずれも風情とともに名湯を楽しむことができる。千代の湯は湯畑源泉、地蔵の湯は地蔵源泉で、異なる泉質となっているため、その違いを比べてみるのも良いだろう。

四季折々の風景を楽しめる超巨大露天風呂

草津温泉の素晴らしいところの一つに、街から歩いてすぐのところに、雄大な自然があること。街の中心街から西の河原通りをぬけていくと、上信越高原国立公園の特別地域にあたる西の河原公園に到着する。

雪深いのだが、温泉が湧き出し湯気が立ち上っており、たしかに地獄の賽の河原のようである一方、雪とあいまって幻想的な光景になっている。

公園内には草津穴守稲荷神社や、鬼の茶釜碑、鬼の相撲場碑、そして奥には西の河原露天風呂がある。草津最大の露天風呂で、とにかく大きい。面積は男女合わせると500平方メートルもあり、雪の夜ともなると露天風呂の奥が見えず、遭難しそうなほど。

いまなら雪景色、春なら新緑、秋なら紅葉と四季折々の風景を、湯に浸かりながらゆっくりと楽しむことができる。

西の河原公園に向かう西の河原通りには、他の温泉地では見られないモダンな店がいくつもあり、観光だけではなくショッピングも楽しめる。また一本入れば居酒屋やスナックなどもあり、昔ながらの風情を楽しみたい人は、夜に訪れてみるのも一興だ。

草津温泉大東舘はビュッフェが美味い

今回宿泊したのは湯畑の源泉が楽しめる草津温泉大東舘。同旅館は、草津温泉の開発に関わった老舗で、湯畑源泉から専用パイプでお湯を引いている数少ない宿の1つ。湯畑の目の前にあるという立地や、ペットとの宿泊(専用フロア及び専用温泉あり)、ワーケーションスペースの設置、無料貸色浴衣コーナーの充実など、多くのサービスで人気の宿だ。


宿泊した部屋からは湯畑が見えるだけではなく、ゆったりとした造りの和室で、心からくつろぐことができた。

また「草津温泉大東舘」の食事はビュッフェ・すき焼きやしゃぶしゃぶをメインとしたコースがあり、今回はビュッフェを選択。地元の食材、料理を使ったメニューも多く、お切り込みやこんにゃくの刺し身、また揚げたての舞茸天などが提供されている。


また和洋のバランスがよく、ステーキやすき焼きなどの肉が上質なほか、小技の効いた料理がそろい、ついつい食べすぎてしまった。

ちなみに朝のビュッフェでも、中華風のおかゆや、目の前で作りたてを出してくれるフレンチトーストなど、他所にはない美味しいものが揃っている(個人的にはよく煮込まれたお切り込みが、朝も夜も食べられるのが最高!)。

草津は夜の街も楽しい

草津の夜に、ちょっと小腹が空いたという方は、ぜひとも夜の街にぶらっと出かけてみてもらいたい。温泉街のなかに風情のある焼肉屋、ラーメン屋、居酒屋などいくつも見つけることができるだろう。

この日入ってみたのは「おかめ本店」。草津の地元の人々からも愛される居酒屋だ。一見メニューは地味だが、かんぱちのかぶと焼きや、六合村のお豆腐、おぼろ豆腐などを頼んでみると、これが美味い。また居酒屋にもかかわらず、お通し代を取らないので、お会計は想像するより安くなる。

お酒を飲みながら、地元の人の話に耳を傾けているでも楽しいお店だ。おかみさんの似顔絵らしきだるまも愛らしい。

ちなみに草津で意外にも手に入りにくいのが湯の花だ。湯の花は源泉から採取した温泉の不溶性成分を固めたもので、天然由来の入浴剤だ。この湯の花が意外にも売っておらず、西の河原通りにある「さくらい」で販売していたのでようやく購入。これを自宅の風呂に溶かし込めば、草津の思い出にひたることができる。

草津温泉は、その温泉が素晴らしいのはもとより、歩いてよし食べてよし、どれだけいても楽しめる温泉街だ。今回は冬だったが、新緑の春も、紅葉の秋も楽しめることは間違いない。最近では温泉プリンなどの新名物も誕生しており、定期的に訪れてみたい場所だった。

<草津温泉ポータルサイト 湯LOVE草津>
https://www.kusatsu-onsen.ne.jp/