一色萌のアイドル、色々。第15回 「アイドルと住む社会」

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こんにちは。プログレアイドル・xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム。通称・キスエク)の一色萌(ひいろ・もえ)です。

7月も半ばだというのに、じめじめとした日が続いています。

晴れそうで晴れないもどかしい天気が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私はというと、所属するキスエクが渋谷WWWでのワンマンライブを7月25日に控えているため、準備に練習にと慌ただしい毎日を過ごしております。

天気に調子を左右されるタイプなので、今ばかりは忙しくてよかった……と心から思います。

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少し遡って。

6月から7月の頭にかけては舞台の稽古と公演に、舞台公演が終わってからはワンマンライブに向けて、といった調子で2ヶ月弱、私は今までにない密度で「キスエク」ないしは「一色萌」として過ごしてきました。

24時間一色萌、今現在も絶賛継続中です。……と言うのは少々大袈裟な物言いかもしれませんが。

そんな日々の中で先日、学生時代に同じ部活で仲良くしていた友人たちと数年ぶりに顔を合わせる機会がありました。

再会を喜んだのもつかの間、近況の話になると出てくる話題は仕事、恋愛、結婚……そして「萌ちゃんは今、何の仕事をしているの?」という質問。

今まで正月に親戚が集まった時にだけやり過ごせばいいと思っていた質問が、まさか友人から飛んでくる日が来るなんて。

私はフリーランスだよ、と答え、用事があるからごめんね、と伝えて新曲のダンスレッスンのためにその場を後にしました。

ついこの間まで一緒に楽しく過ごせた友人がたった数年のブランクで知らない国の言葉を話す人のように見えてしまったことがショックでした。

でも私がアイドルとして活動してきた約2年半は、同世代の友人にとっては学生から社会人になり、環境の変化とともにいろいろなことが変わっていく時期です。

その時期に「変わらない」私のほうこそ、彼女たちからすれば異質なものに見えたに見えた事でしょう。

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アイドルを生活の中心とし、自身の本業として矜持を持って活動している人はしばしば「職業アイドル」と表現されます。

その線引きは文脈次第ですが、アイドル業だけで生活している”専業アイドル”の方のみを指す場合もあれば、アイドル活動を中心としながら副業で生活を支えている方を含む場合もあります。

しかしその実、アイドル業だけで生活ができるほどの収入を得ることができている子はそう多くなく、他のお仕事とうまく兼業しながら活動をしている子もめずらしくありません。

生きていくためにかかるお金のことを考えると、「アイドルの世界」で生きているからといって「一般社会」と完全に断絶して生きていくことはあまり現実的ではなく、うまいことバランスをとりながら生きていく必要があるのです。

近年ライブアイドル人口が増え、仕事や学校とアイドル活動をうまく両立させているケースも増えたと感じます。

アイドルと兼業については姫乃たまさん著の『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版、2017年)にアンケートやその回答をもとにした詳しい記述がありますので、ご興味のある方はご参照ください。

副業の扱いについてはアイドルさんによってとても個性の出るところで、両立していることを公言しながら活動する子もいれば、まさに兼業をしているその期間にはその話はせず、あとから振り返って「あの頃はこんな仕事をしながらアイドル活動をしていた」というエピソードトークに昇華されて初めて知ることになった、というパターンもあります。

2016年の元日、多くのアイドルが出演するお正月の番組内でゆるめるモ!のしふぉんさんが歯科助手として働いている(当時)ことを話した際にはそのエピソードをもとにトークが広がり、番組が終わった後も話題となりました。

それは職業の専門性・意外性に加えて、「アイドルが兼業をしている」ということそのものが世間的には衝撃的でセンセーショナルなことに映ったからでしょう。

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私はアイドルがアイドルとなる際のスタンスとして、素の状態の自分をアイドルとして叩き上げていくタイプと、オンオフを切り替えてオンの状態の自分を理想に近づくように磨いていくタイプの2パターンに大別できそうだ、と考えています。

私はどちらかというと前者のタイプで、「キスエクの一色萌」でいる時間は「日常生活の私」の延長線上にあり、その境はグラデーションのように混ざり合っているイメージです。

あまり積極的に話すことはありませんが、そんな私もまた昼と夜で「アイドル」と「別の仕事」を行ったり来たりしながら生活しています。

その間、ずっと「萌ちゃん」であることに変わりはないのですが、自分自身にオン/オフの明確なスイッチがなかったとしても、「一般社会」と「アイドルの世界」の間に大きなギャップがあることは確かに感じられます。

どっちの社会により長く身を置くかによって、自身の価値観や哲学、思想は少なからず影響を受けます。

幸運にもアイドル活動に理解のある職場に巡り会い、円満にやりくりできている子達も何人も見てきましたが、一般的な社会においてライブアイドルに対する目はあまりあたたかいとは言えません。

ファンの方にそういった視点でアイドルを見てほしいとは私自身も含めて思いませんが(むしろあまりじっくりと見ないでほしい部分だと思われるので)、思いがけずそういった一面を知った上で力強くステージに立つ姿を見ると心なしか一層、たくましく感じられる気がするのです。

そんなことを考えているとアイドルの運営さん、イベンターさん、日々アイドル現場に足を運ぶファンの方の生活にも興味が出てきて……。

まだまだ知りたいことは尽きそうにありません。

「友人と話が合わなくなった」から随分話が飛躍してしまいましたが、アイドルを支える基盤となる生活の安定については、また改めて誰かと話したり考えたりしていきたいものです。

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【キスエクライブ情報】

7/25(木)xoxo(Kiss&Hug) EXTREME 2nd ワンマンライブ 〜UNION〜

会場:渋谷WWW

開場18:00 開演19:00
​前売¥3,500- 当日¥4,000-


キャラクターの違う2つのバンドによる、全曲生演奏!
紡がれる壮大な物語!!!


<プレイガイド(イープラス)>

https://eplus.jp/sf/detail/2936030001-P0030001

​<チケット通販>

https://twelvenotes.thebase.in/items/18818364

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【プロフィール】

一色 萌(ひいろ もえ)

ニックネーム:萌ちゃん、萌氏、誕生日:5月27日、出身:東京都、血液型:A型、趣味:アイドル研究、特技、アイドルについて話すこと

WALLOP放送局「キスエクのギュッと!プログレッシヴ!」レギュラー出演中(2018.4〜)

調布FM「キスエクのラジオ、キク!?」毎週月曜日19:00〜 レギュラー出演中

<一色公式Twitter> https://twitter.com/hiiro_moe

<公式Twitter> https://twitter.com/xoxo_extreme

<公式YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UCA7fn3DZFJGDmlxZZg8WQVA

<取材・オファー等> Email : contact@twelve-notes.com

【グループプロフィール】

xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キス・アンド・ハグ・エクストリーム 通称:キスエク)

楠 芽瑠・一色 萌・小嶋 りんの3名からなる、プログレッシヴロック(略:プログレ)の楽曲を中心にパフォーマンスしているアイドル。プログレとは、曲調がよく変わる・曲が長い・変拍子…等が特徴の楽曲です。

2017年に、発売したシングル「えれFunと”女子”TALK〜笑う夜には象来る〜」に対して(キング・クリムゾン「エレファント・トーク」オマージュ)元キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリューがその動画に「I like it!」とコメントで絶賛。

ライブ活動の他、ディスクユニオン新宿プログレ館で一日店員を務めたり、プログレファンの聖地である吉祥寺シルバーエレファントに、アイドルとして初出演。

2018年にフランスを代表するプログレバンドMAGMA公認カヴァー曲の「The Last Seven Minutes」を初披露。その動画がyoutubeにアップされると、カヴァーを公認したMAGMAが、公式Facebookで紹介したこともあり、一日で2000以上の再生数を得て話題になる。

同年2月4日に記念すべき初のワンマンライヴを鹿鳴館にて開催。プログレッシヴロックを知っている人も知らない人も楽しめるLIVEと評判。