8月も終わりというのに猛暑が続いている。ピークこそ過ぎたようだが熱中症で搬送される人も依然として多く、気が抜けない状況が続いている。
この熱中症に備えるべく、”熱中症対策”を謳った商品がバカ売れしている。暑さがもたらした”熱い”展開にメーカーは笑いが止まらないのだという。
「熱中症対策なんて言っても、塩とかミネラルを入れるだけ。とにかく「熱中症」と「塩」をパッケージに入れておくだけで売れるんだから」(メーカー営業)
スーパーやコンビニには熱中症対策の商品専用の棚が設けられているが、そこに置かれているのは、変わり映えしない各社の”塩”のドリンクや飴。それでも飛ぶように売れていくのだという。作る側、売る側からすればこんなに簡単なことはない。
だが一方、この塩フィーバーを冷めた目で見る向きもある。
「今はコンビニだろうが外食だろうが味付けが濃いので、塩は摂り過ぎなんです。炎天下で体を使う仕事をしている人ならともかく、普通に仕事をしている人は、冷たい水やお茶で十分ですよ」(食品業界に詳しいジャーナリスト)
ろくに汗もかいていないのに、塩分を強化した食べ物を食べ続けていれば、当然健康にも悪い。
「だいたい単に塩をプラスした程度なのに、他のジュースより高めだったりしますからね。そんなに塩を取りたいんなら、岩塩でも持ち歩いてペロペロ舐めてればいいんじゃないですか? お金がもったいないですよ」(同)
熱中症対策なんて宣伝してても、所詮は塩水。無駄なお金を使うことなく、頭を使って暑い夏を乗り切ろう。
(文/行方アキヒデ)