スーツ姿でリュックを背負ったビジネスマンを見かけることは珍しくなくなった。そろそろ自分も使ってみたい、そんな人も多いのでは? 今回は東急ハンズ新宿店を取材。バッグ売り場担当者のおすすめ『ビジネスリュック』ベスト3を聞いてみた。
ビジネスリュック人気の背景は?
「売れ行きは好調です。人気が本格化したのはここ1年半くらい。東急ハンズでビジネスリュックというカテゴリを明確に設定して売り出したのも、2016年の初め頃からですね」
そう語ってくれたのは、東急ハンズ新宿店バッグ売り場担当の木村知世さん。ブームの背景には働き方の多様化、クールビズの普及にともなうフォーマル基準の変化や、自転車通勤が許容されるようになってきた、雰囲気の変化があると分析する。
「購入されるのは30代後半の男性が多数ですが、若年女性もいらっしゃいます。リュックは大容量なので、お弁当やお仕事で使う機材などをひとまとめにできます」
自転車通勤をするためや、両手をあけることでスマホをさっと使えるようにしたいというニーズが大半。痴漢冤罪を避けたいという目的の人も少数いるという。店頭ディスプレイも、そんなライフスタイルをイメージさせるものになっていた。
ちなみに、ディスプレイコーナーはお店で一番目立つ位置に設けられている。ビジネスリュックは、すでにバッグ売場の主力商品となっているという。
「価格帯は2~3万円のものが主流です。各メーカーから仕入れた情報を売場スタッフ間で共有して、お客様ごとのニーズに的確にお応えできるよう努めています」
では、東急ハンズ新宿店おすすめの『ビジネスリュック』ベスト3を、紹介しよう。
第3位 : マンハッタンパッセージ『#3215B』
Manhattan Passage(マンハッタンパッセージ)『#3215B ウェルオーガナイズド バックパック,Plus2』(外形寸法:W30×H42×D17.5 cm・重量:700g・価格 税別20,000円)は、じつにシンプルなデザインのビジネスリュックだ。
「ビジネスリュックの基本は四角型です。パソコン、書類、ファイルを収納しやすく、見た目のフォーマル感もあります。この『♯3215B』の特徴は、非常に高い撥水性です」
なるほど、アウトドア用品のような撥水生地が用いられている。リュックは背負った状態だと傘からはみ出し、中身が濡れてしまうことがある。自転車に乗っていればなおさらだ。このリュックなら、大切なパソコンや書類を濡らしてしまう心配がない。
「バッグ内は鮮やかな青い生地が使用されていておしゃれですし、中のものが見つけやすい実用性もあると感じます」
肩に半分かけたまま簡単に取り出せる構造になっている(肩ベルトの可動域が広い)のも、うれしいポイント。
記者も実際に背負ってみたが、本体重量700gは本当に軽く感じて、動きやすかった。
東急ハンズ新宿店において毎週3~4点はコンスタントに数が出ており、店頭に並んだ瞬間に売れることもあるほどの人気商品だという。やや小ぶりなMサイズは女性も買われていくとのこと。
2017年最新モデル『♯3215B』のカラーバリエーションは、ブラックとミッドナイトブルーの2種類。
第2位 : エース株式会社『EVL-3.0』
続いては、ace.GENE『 EVL-3.0』(外形寸法:W33×H45×D16(マチを広げた場合 21) cm・重量:1,160g・価格 税別26,000円)。
「ポケットが多く、サイクリストの方などにマッチすると思います。アクティブに使いこなしていただくリュックです」
サイドにはこれから暑くなる季節にありがたいペットボトルポケットが付いている。500mlのペットボトルも、ホルダー付きですっぽりと収まった。
さらにエキスパンダブル機能があるので、ファスナーを広げるだけで荷物が多くなる日でも容量を増やすことができる。
面白いのは、リュックの背面にLEDライトが内臓されていること。振動に合わせてピカピカ、自動で明滅。暗い夜道で後方を走る車に合図を送る。
実用性はもちろんのこと、ギアとして使いこなす魅力にあふれる一品と感じた。
ace.GENE『EVL-3.0』のカラーバリエーションはブラックとネイビーの2種類だ。
第1位 : ポーター『ポーター ストレージ』
東急ハンズ新宿店のおすすめ第1位はポーター『ポーター ストレージ リュックサック』(外形寸法:W28×H44×D13 cm・重量:1200g価格 税別29,500円)だ。
「信頼のメイドインジャパン。日本を代表するバッグメーカーである吉田カバンと東急ハンズが共同開発した商品です」
生地は高強度なコーデュラ®ポリエステルキャンバスにPVC加工が施されたオリジナル素材で、防水性と耐久性に優れている。
「他のビジネスリュックと同様に、13インチのノートパソコンも余裕で収納できます」
肩ベルトのずれ落ちを軽減するチェストベルト(胸の位置で左右の肩ベルトをつなぐベルト)は、取り外しが可能。自転車に乗るときは着用するなど、好みやシーンに応じて使い分けることができる。
記者も実際に背負ってみたが、背面には通気性の良いメッシュ素材のクッション材入りパットが備わり、体へのフィット感がじつに良好。カラーバリエーションはブラックとネイビーがある。
番外編 : ace.GENE『 ホバーライト 』
第1位があたかも東急ハンズの広告のようになってしまったので(笑) 番外編としてもう1点、おすすめを聞いてみた。ace.GENE『 ホバーライト 』(外形寸法:W28×H39×D11 cm・重量:590g・価格 税別13,000円)である。
「全国で入手しやすいリュックです。東急ハンズのほぼ全店でも取り扱いがあります。価格とサイズ感もお手頃で、ビジネスリュックの入門に最適ではないでしょうか」
女性やスーツ以外で仕事をする人にもフィットしそうな、カジュアル寄りのデザインだ。
「持ち手部分が大きく、ブリーフケースとしての使い勝手がとても優れています」
さらに、肩ベルトを簡単に収納できるのが特徴。
「こうするとフォーマルな印象がぐっと高まります。取引先での挨拶の際など、きちんとした印象を与えることができますよ」
私服にも合わせやすい素材感は、プライベートでも活躍しそう。カラーバリエーションはブラックとネイビーの2種類。
『ビジネスリュック』まとめ ~ 購入時の注意点
ビジネスリュックを購入する際、普段使っているノートパソコンが入るかどうかは、きちんとチェックした方が良いだろう。13インチになると入らないリュックもある。
遠目には似たようなリュックでも、手に取ってみると、ひとつひとつ雰囲気がまったく違う。可能であれば実際に背負ってみて、自分好みの一品を見つけてほしい。2万円前後の商品だけあって、品質はどれもきちんとしている。
なお「おためし新商品ナビ」では、より公正な情報を読者に届けるべく「LOFT」にも同様の取材を行ったので、そちらもお読みいただきたい。小売店ごとのポリシーの違いも見えて、興味深い内容になっている。