たいして美味いとも評判にならない街の中華料理店やラーメン屋、そんなところのカレーが意外に美味いのをご存知だろうか? カレーファンの一部の間では、街なか中華系カレーは一つのジャンルとして成立しており、その隠れざる名店についての情報交換がさかんになされている。
■知られざるラーメン屋カレーの名店
「有名店としては東京神保町にある、新世界飯店が出している中華風カレー。これはメディアでも取り上げられることが多いですが、でもそんな有名店に行かなくても、みなさんの隣に意外な名店があるんですよ」(年間400食消費するカレーファン)
そんな氏に教えてもらったのが、東京飯田橋にある中華料理屋「えぞ松」というお店。大盛りで大味なホイコーロー定食の評価が高い店だが、カレーというのはまったくの初耳。「しみじみいいカレーです」というから早速実食へ。
カレーの値段は580円とそこそこするが、運ばれてきたのは大皿いっぱいのカレー。一般的なものの2倍ほどの大きさにびっくり。これでこのお値段はちょっと安いと言えそう。だけど、一番良かったのはその味なのだ。
■カレーにチャーシューが入ると極上の味に
カレーの中に大きなチャーシューの切れっ端が、ごろりごろりと。カレー自体はまるで実家でカーチャンが作ったようなノスタルジックな味わいだ。そんなルウとチャーシュー、ごはんを一緒に食べると、…おおお! 筆者が小学生の時同級生だったI君、実家が中華料理屋の息子だったわけだが、彼のうちで食べさせてもらったカレーの味だ(そのまんま)。
カレー自体は子供っぽい味とも言えるのだが、大きなチャーシューのカタマリが、それ全体を高級な味わいに引き上げている。カレーの肉って味がぬけてしまっていることが多いが、チャーシューは塊なので肉の旨味が抜けることなくたっぷり。甘いルウと豚の脂身の甘みが一緒になってもうたまらん!
というかカレーは確実に美味しい料理だし、チャーシューだってそうだし、それが合わされば美味しいのは間違いないのだ。街の中華料理屋のカレー、これ、いいです!
■ラーメンとセットで食べるのもオススメ
「そういう街なか系の中華料理屋さん、そういうところのクラシックなカレーとラーメンの組み合わせも、それもまたいいんですよね。半カレーのラーメンセットなどもおすすめです」(同前)
とのこと。次の機会はぜひそれで!
えぞ松/東京都千代田区飯田橋4-4-6
文/高野景子