「週に5日、40時間働くのが当たり前」…そんな常識が、少しずつ変わるかもしれません。「週4日勤務」を試験的に導入したところ、働く人も会社も良い結果を得られたという、興味深い研究結果が発表されました。
お休みが1日増えることで、私たちの働き方や暮らしは、もっと豊かになる可能性があるようです。
世界中で試したら、嬉しい結果がたくさん!
この調査は「4 Day Week Global (4DWG)」という団体が中心となり、アメリカやイギリスなど、世界中のさまざまな会社と協力して行われました。お給料は今のまま、働く日を週4日から週5日に減らしてみる、という大きな試みです。
すると、そこからは嬉しい報告が次々と届きました。
会社の業績がアップ:働く時間は短くなったのに、不思議なことに、会社の生産性や売り上げはアップする傾向が見られました。
働く人の心と体に余裕が:参加した従業員の皆さんからは、「ストレスが減った」「燃え尽きるような感覚がなくなった」といった声が多く聞かれ、心身ともに健康になったと感じる人が増えたそうです。
会社も「続けたい」と好意的:実験に参加した会社のほとんどが、週4日勤務をこれからも続けたい、と前向きな姿勢を示しました。
研究者も「これほど予想通りの良い結果が出たのは、かえって驚きです」と話すほど、ポジティブな変化が多く見られたようです。
成功の秘密は「時間の使い方」にあり
では、なぜ労働時間を減らしても、仕事がうまく回ったのでしょうか。その秘密は、時間の使い方にありました。
まず、多くの会社で「ムダな会議を思い切って減らす」という工夫が行われました。その分、電話やチャットで効率的に連絡を取り合うことで、仕事に集中する時間をしっかり確保したのです。
そして、もう一つのカギは「増えたお休みの日の過ごし方」でした。
これまで平日に無理やり時間を作って行っていた役所の手続きや通院などを、新しくできた休日に充てられるようになりました。趣味や家族との時間を楽しんだり、ゆっくり休んだりすることで心に余裕が生まれ、それが仕事への活力にも繋がったのです。
働く人が元気でいきいきとすることで、会社にとっても離職率が下がったり、採用がしやすくなったりと、良い循環が生まれていたようです。
コロナ禍が、働き方を見直すきっかけに
研究者によると、新型コロナが広まる前は、「週4日勤務なんて、理想論だよね」と考える人が多かったそうです。
しかし、コロナ禍を経て多くの人が強いストレスを感じる中で、「自分の人生や働き方を、このままでいいのだろうか?」と見つめ直すようになりました。そんな社会の変化が、これまで夢物語だと思われていた週4日勤務という選択肢に、スポットライトを当てたのです。
この大きな変化をきっかけに生まれた、働き方の新しい可能性。それを活かして、私たち一人ひとりがもっと自分らしく働ける社会に繋がっていくと素敵ですね。